近道で行く
450 :本当にあった怖い名無し:2012/03/30(金) 09:44:48.02 ID:zIreZK370
自分が小学6年の夏休みの話。
その日は家族で日帰り海水浴に行った。片道車で2時間ほどのその方面に行く
のは俺は初めてだった。楽しい海水浴を終え帰路での事。田園風景、ちょっと
した山道、時折広がる集落などを抜ける。
途中少し賑やかな街並になった。赤信号で停止すると道端にバス停があって祖母と孫娘であろう
小さな女の子がベンチで足をブラブラさせながらバスを待ってる。海からそう遠く無いからか
釣りエサなどを売ってる店がある。大きな魚のハリボテの看板が印象的だ。信号のある三叉路を
右折すると古い洋館建ての銀行がある。それらを通り過ぎるとまた田園風景が広がる。
暫く進むと海水浴帰りの渋滞につかまって親父が「近道で行く」的な会話をおふくろと交わし
険しい山道に入って行った。離合困難で薄暗い道を進みながら「もうすぐ広い道に出られるから」
と独り言のように親父が呟く。親父の言うとおりほどなく明るい街並に出る。
あれ?俺は思った。そして親父に言った。「お父さん、道間違えたね。元に戻ったじゃん。」
赤信号で停止すると道端にバス停があって祖母と孫娘であろう小さな女の子がベンチで足を
ブラブラさせながらバスを待ってる。大きな魚のハリボテ看板が印象的な釣り道具店がある。
親父:「そんな訳ない。かなり近道だ。俺はこの道よく知ってるんだから。」
俺:「次そこ右に曲がるんじゃないの?そうしたら古い建物の銀行があるよ。」
全くそのとおりだった。俺は親父の間違いだと思って何も思わなかったが、親父は
「何故知ってる?」と何度も聞いてきた。あれから20年以上経つが未だに家族で
その話が出ることがある。
同じ場所を2度通ったような気がするだけなら夢かな?とも思えるが、
恐らく現実なのは2度目であると思われる。

