おかしな黒い人影
343 :292:2012/03/27(火) 01:11:05.86 ID:JJ6hJb1fO
あんまりハードルをあげないでくれ。ほんのりな程度の話だからさ…
誤字はすまんかった。
姉が本を好きで、本屋に通っていたから、そのルートに葬式が続いたのが分かったんだよ。
そういう意味で、本屋の下りがありました。
で、姉ちゃんは、自分の通うルートに葬式が続き、おかしな黒い人影が気になって、その本屋に通うのは止めたんだ。
それから、しばらく忘れていた頃、今度は町内の反対から葬式が近づいてきた。
姉ちゃんは素手に大学生で、その日も夜、バイト先からふらふらになって帰ってきた。
すると実家が黒い霧に包まれている。
ぞっとして、見上げたら、屋根にはやはり、黒い人影がいた。
姉ちゃんは、実家に死人が出るんじゃないかと不安になった。
慌てて家に駆け込んだが、皆寝静まっていて、特におかしなとこはなかった。
でも、あいつは死神かなんかで、きっと良くないことが起きてしまう。
姉ちゃんは、明日になったら家族に話してみようと考えた。
風呂に入り、好きな本を読み、明日の準備をしたら、幾分さっきの人影は幻だったような気さえしてきた。
それで、姉ちゃんは寝たんだ。
明るい日差しに目をさますと、金縛りだった。
姉ちゃんの部屋は、ベッドと本棚しかない。机すらない小さな部屋は、窓を塞ぐようにベッドサイドから本が積み上がっていた。
姉ちゃんは、重たい金縛りの中、唯一動く目を、その窓を塞ぐように置かれた本の壁に向けた。
そこには、土気色のボールが半分頭を出していた。
「何でこんな汚いボールがめり込んでるの?」
姉ちゃんは思った。
瞬間、それはまさに頭を出した。
「そいつね、土気色の坊主頭をした、何か気持ち悪いやつだった」
と、姉ちゃんは言っていた。
ボールだと思ったのは、坊主頭だったんだ。
やつは、上半身を本から斜めにつきだして、姉ちゃんを見下ろした。
汚い黒い袈裟を着ていたから、坊さんだと思ったらしい。
やつは、真っ黒な光のない目を…それは白目すらない、真っ黒な目立ったんだそうだが、その目を姉ちゃんに向けて、しゃがれた声で言った。
「行こうか」
姉ちゃんは、次第に体力が失われていくのを感じた。
疲れていって、体がベッドに沈む感じだ。頭がいたい…
「行こうか」
また、やつは、言った。
死ぬと思った。
ガチャ
姉ちゃんの部屋のドアが開く音がして、姉ちゃんは「増えた!もうダメだ」と悟った。
バサバサバサー
姉ちゃんの上に、ベッドサイドの本が崩れて落ちてきた。
窓から明かりがさし、眩しさを感じた。
すると、坊さんは
「ああ、こいつじゃない。こいつはまだだ」
と、また壁に引っ込んだらしい。
引き換えに、姉ちゃんの上に猫が乗った。
姉ちゃんにしかなつかない猫だ。
姉ちゃんは、「ありがとう、あんたが追い払ってくれたんだ」と、心で話しかけると、猫は可愛らしい子供の声で「いいよ。でもお水が飲みたいから」と言うと、ふっと消えたらしい。
姉ちゃんは、ふらふらに疲れていて、ベッドから落ち這って部屋を出た。
ドアは閉まっていたが、本は崩れ落ちていたそうだ。
そしてキッチンには、からっぽの水入れの前に座った、猫がいた。
結局、ばあちゃんが急に亡くなったんだけどな。
多分、そういうことだったんだよ、と姉ちゃんは言った。
姉ちゃん、最近その話を同僚としたら、同僚も同じ屋根に立つものを通夜の家で見たらしく、それで俺に話してくれたんだよ。
ほんのりだが、姉ちゃんは「まだっていつよ」と、かなり気にしていた。
期待に添えなくてごめんね。ま、ほんのりってことで!

