天国へ昇るおじいさん、時計ともお別れ…

0747 本当にあった怖い名無し 2011/12/19(月) 01:37:46.81
娘にせがまれて、よく童謡を歌う。
タッチパネルに可愛い絵が描かれており、ボタンを切り替えると「歌入り」と、「カラオケ」の2パターンを演奏してくれる優れ物だ。
全部で20曲程度収納されており、これまでにすべての歌を何度も歌っていた。
ある晩のこと「大きな古時計」を歌ってあげていたのだが、「天国へ昇るおじいさん、時計ともお別れ…」の部分を歌っていると、
これまでに感じたこともないほど強烈な悲しみに襲われ、涙が溢れ出してきた。
呆然とする妻と娘。
これまでに何度も歌ってきたのに、こんなことは初めてで、自分でも訳が分からなかった。
それから数日経ったある日のこと、我々の住んでいるアパートの2階の角部屋で、お年寄りが孤独死していたことが判明。
警察が訪ねてきて数日前に亡くなっていたらしいのだが、何か気が付いたことはなかったかと、妻が問われたらしい。
詳しい時間を聞くと、どうやら俺が感情を爆発させて涙が溢れ出した日の時間帯とほぼ一致。
恐らく誰にも看取られることなく、天国へ旅立ったおじいさんの悲しみが、
歌を歌う俺の心に作用したのかもしれない。
それ以来何度か歌っているのだが、こうしたことは一切起こっていない。

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