近くのバス停を問う女
0693 本当にあった怖い名無し 2011/12/16(金) 21:53:11.26
ある雨の日の夕方。
店舗裏の荷物搬入口に来客(?)がある、と従業員に呼ばれた店長。
出てみると、雨風除けのビニールパーティションの向こうに女がいる。
雨がかからない下屋の下ではなく、その外側に立っているのでずぶ濡れで。
不審に思ったがどうしたのかと尋ねたところ、
「○○はどこですか?」と蚊の鳴くような、ある意味特徴的な小さな声で
近くのバス停を問う女。
そのバス停は近くには違いないが、歩いて向かえば数分かかる。しかもこの降雨。
店長は店の車で送ることを申し出た。
女を助手席に乗せ、車を出す。
バスでどこに向かうのか尋ねると、また特徴的な声で
「○○駅」と、県庁所在地のJR駅を伝えた。
しかしその時間、バスは数十分後にしか来ない。
店長は女を駅まで送ることにした。
女は極端に口数が少なく、問われても短く
例の特徴的な声で答えるのみ。会話にならない。
重苦しささえ感じる沈黙に耐え、ハンドルを握りしめて30分あまり。
ようやく駅に到着し、店長は安堵とともに声をかけようとした。
「着きましたよ――ええぇ!?」
助手席には誰もいなかった。
慌てて座席に手をやる店長。そこはぐっしょりと濡れていた。
その日は店に戻っても上の空で、閉店業務もどうやったのか覚えていない始末。
数日後のこと。
車の使用記録を確認していた従業員が、珍しい店長の運転記録を見つけ、
問われてうっかり送って行った女がいなくなったとこぼしたところ
「店長、またフラレたんですか~あははははw」と一笑に付され
さらに店長は落ち込んだのであった。
昨日の忘年会で他店の店長に披露してもらった怪談です。

