いや、いい 聞きたくない

0371 本当にあった怖い名無し 2011/12/08(木) 16:55:46.68
この間姉夫婦の家からの帰宅の時のこと。
もう終電近い時間で、雨の中を駅から自宅へ向けて帰ってました。
義兄が出張中、姉と赤ちゃんが同時に熱を出したので、看病の帰りで、私はだいぶ疲れていました。
路面は雨に濡れて街頭の光りを反射していましたが、住宅街となってる辺りはもう暗く、静かでした。
妹とぽつぽつしゃべりながら、帰っていたのですが、傘のせいで余り前方を見ていなかった私は、ある場所で、うおっと一歩下がってしまいました。
リクルートスーツ姿のおかっぱの女の子が、四つん這いになって道路に伏せてたのです。雨の中ですが気にせず、何かを探してる感じもせず、ただじっと、蜘蛛のように。
隣を見ると、妹が怪訝な顔でこっちを見ていますが、私が口を開こうとすると、
「いや、いい 聞きたくない」
といいます。
妹には見えてないのです。その不可思議な状況を。それに彼女は怖い話が苦手なのです。
まあ別に関わる気も、出来ることもないので、私はちょっとよけて帰り道を急ぎました。
次の次の角を曲がるときにそっと振り向くと、まだ彼女の足が、アスファルトの上になまめかしい白さを放っていました。
おわり

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