標識の上にばあさんがおる

282 :本当にあった怖い名無し:2011/11/03(木) 14:25:01.70 ID:go1ugZaZ0
その日の深夜、Aは親友Bとともに北九州で遊んだ後、福岡市内の家にクルマで帰っていました。
車内ではたわいのない話をしながら楽しく会話していたそうですが、空港ちかくを通ったときに
二人の会話がすこし途切れ、車内が静かになると、連日おそくまで遊んでいたせいもあり
Aはきゅうに眠くなったそうです、まぶたが重くなり、じわじわとまぶたがとじて、
視界がボヤけた瞬間
「おい!大丈夫か!」とBが大きな声をあげました
ハッとわれにかえったA
「わり~すこしぼーっとしてたわ」
といいましたが
Bは心配そうに何度も大丈夫か?と聞いてくるのでなんでそんなに何回もきくんだ?とAが聞きました
するとBはこう言いました。

だまって運転していたAがきゅうに
「なんや~あんなとこにあぶないやろ~」と抑揚のない声で言ったそうです
BはAが何のことを言ってるのかわからず
「え?なにが?」 と聞くと
「あの標識の上にばあさんがおる」 と言ったそうです
前方には確かに道路の真上にある青い標識(行き先をしめすもの)はあるそうですが、
そんな高いところにおばあさんが座ってるわけはなく、Bは怖くなったそうです

AにはBとそんな会話をした記憶も、おばあさんを見たという記憶も
ありませんでした。

AはBがからかってるのかとも思いましたが、そんな様子ではなかったので
本当に自分が寝ぼけてそんなことを言ったのだろうと思い、
「すまん、ほんとに寝ボケてたかもしれんわ」と言いました。
その後、BはAが居眠り運転しないか心配な様子だったらしいですが、
おばあさんの話も家につくころには笑い話になっていたそうです

AがBを送って家に帰ると、どっと疲れがきてすぐ眠りについたそうです

Aは車を運転していました、左手には空港の滑走路のライトが点滅しています
助手席にはBがいます

あぁこれはさっきの帰り道の場面だ、夢かとAは思いました

しばらくするとAは朦朧としはじめました

あぁそうだ、このあたりで俺がねぼけたんだっけ・・・

と前方の青い標識の上に白い影がみえます
よくみるとおばあさんが標識の上に座っていました、全体的に黒い服を着ていましたが、
おばあさんの顔は真っ白です

交通量も多く、街灯もきらめくなか、なんの違和感もなくおばあさんが座っていて、奇妙ではありましたが
なんとなくおもしろいシュールな場面だったそうです

ま~夢だから とAは楽観的だったようです

じょじょに車は標識に近づいていき、おばあさんの顔もみえるようになってきました

ぼさぼさとした白髪、うつろな目はどこを見ているかわからない、黒っぽい服に首元には黄ばんだよだれかけ
のようなものをかけて、顔だけは異常なほど真っ白、ホクロやしわまで確認でき、あまりのリアルさにAはこれが
夢なのか現実なのかわからなくなり混乱し、じょじょに恐怖感をおぼえたそうです

Aは早く通り過ぎろ と思いながら、おばあさんを見ると
おばあさんの左手が水平にあがって右方向を指差していたそうです

なんだろうと思っていると、車を運転している自分の頭が右にまがるんだと意識しているのが
客観的にわかりました、とっさにAは直感的に 曲がってはいけない と思ったそうです

だめだ!まがるな! と強くさけびますが、運転している夢の中の自分の、右にまがるという意思は
かわらなかったそうです

車がゆっくりと右にまがりはじめました
右にまがるとどうなるのか?なにがあるのか?まったくわからなかったそうですが
はっきりとした恐怖感だけがあったそうです。

だめだ!まがるな!まがるな!まがるな!まがるな! と願っていると

ガチャン! と音がしました

誰かが自転車を倒すような音が聞こえ、それが自分が寝ているアパートの前から聞こえることが
わかった瞬間彼は目を覚ましたそうです

ただ ガシャン という音の前なのか、後なのか、それとも同時だったのかわからなかったそうですが

ちいさなしわがれた声で 「こっち」 とおばあさんの声が聞こえたそうです

Aは10年たった今でもおばあさんの夢を時々みるそうです、ただ夢の序盤で あ、あの夢だと思うので目覚めることなく
夢からのがれることができるそうです。そして現実においてもあの道をあの場所で右にまがることは絶対にないそうです。

前の話へ

次の話へ