なんだか寒い

715 :本当にあった怖い名無し:2011/08/25(木) 20:29:25.54 ID:iBvYBJsQ0

洒落にならないほど怖い、というほどでもないので、こちらに書き込みさせていただきます。
大学時代の話です。

サークルの先輩と同級生数人で、山の中の廃墟に
肝試しに行くことになりました。
車の免許を持っている先輩と同級生の車に分乗して出発。
時刻はだいたい夜の0時を過ぎていたんじゃないかと思います。

幽霊が出ると噂の廃墟に到着し、それぞれ懐中電灯を持って屋内探検。
男性4人、女性は私を含めて3人でした。
ちなみに女性のうち一人が「自称霊感少女」タイプで、時折
「今何かいたよね」とか「ここ…変な感じ」なとど呟いていましたが、
誰も信じていませんでした(普段からちょっと不思議ちゃんを演じている人でした)。
建物の中は荒れていてごみもちらかっており、怖いとか不気味というよりも
暗くて怪我をしないかどうかが心配でした。

そのうち、男の先輩の一人が「なんだか寒い」と言い始めました。
他のメンバーは「またまたー、怖がらせようとしてww」みたいな反応で、
冗談だと思っていたのですが、その先輩だけでなく他の人達も
「なんだか寒くなってきた」と言い始めました。
なんだか微妙な空気になってしまい、それじゃ戻る?と別の先輩が提案した
瞬間、最初に「寒い」と言い出したI先輩が突然
「ぎゃあああああああああああああああ!」
と獣じみた叫び声をあげて、廃墟の更に奥へと駆け出しました。

さすがに皆恐怖を感じてその場に立ちすくみ、泣き出した人もいました。
地面に散乱する、放置された家具や段ボールなどにぶつかりながら走ってゆく
先輩の足音がとおざかっていきます。
私達はしばらくの間その場にかたまっていましたが、リーダー格のF先輩が
「俺ちょっとI探してくるわ」
といって、一人で後を追い始めました。
F先輩を一人で行かせるのは危険だと思ったので、同級生のW君と私が、すぐに
先輩を追いかけました。
自称霊感少女のSさんがパニック状態だったので、他のメンバーはその場に残りました。

奥の方へ進むと、I先輩が落とした懐中電灯が床に転がっていました。
そのすぐ先で、何か足を踏みならすような音がします。
3人で音がする方へと懐中電灯を向けると、白眼を剥きだしたI先輩が、暗闇の中で
悶えるようにして踊り狂っていました。
同級生のW君が「わああ!」と叫んで後ずさり、尻もちをついた瞬間、I先輩が
ばったりと倒れました。
倒れたI先輩をF先輩が担ぎ、W君が支えて、皆が待っている場所に戻りました。
皆のところに戻る前に、青ざめたF先輩が「今見たもののことは黙っておこう」と
言いました。
話せば皆が余計に怖がると思ったので、私もその意見に賛成しました。

それからI先輩はF先輩が運転する車で病院に運ばれ、私も付き添いました。
W君は怖がって、病院にはついてきませんでした。
F先輩はI先輩のご両親に連絡をとり、ご両親はすぐに病院に駆けつけてこられました。
I先輩は倒れた時にちょっと額を切っていましたが、幸いなことにそれ以外の怪我は
ありませんでした。
F先輩がI先輩のご両親にものすごく謝っていたのが印象的でした。
後で理由を聞いてみると
「Iには昔お兄さんがいたんだけど、交通事故で亡くなってるんだ。
Iにまで何かあったら、ご両親に申し訳ないと思って」
と言ってました。F先輩とI先輩は、中学時代からの友人だそうです。

I先輩は一日入院しただけで済み、すぐにサークルの方にも顔を出すようになりました。
あの時どうしたの?という他の人の質問に、I先輩は
「いやー怖くなって、ちょっとパニック起こしちゃったんだ」
と説明していたみたいです。
それ以降、うちのサークルで心霊スポット巡りはやらなくなりました。
自称霊感少女Sさんは「建物の中にいた雑霊のしわざだよ!」みたいなことを
言っていましたが…

廃墟探検については以上です。
ただこの日の廃墟探検ですが、普段はあまり目立たない、穏やかなI先輩が
強硬に「行ってみよう」と主張していたのが印象に残っています。
この出来事以来、F先輩はI先輩と少し距離を置くようになりました。
あんなことがあったにも関わらず、I先輩がしょっちゅう
「あそこに有名な心霊スポットがある」「○○トンネルには幽霊が出ると聞いた」
と、肝試しをもちかけるようになり、慎重なF先輩は前のようなことがあったら
困る、と反対したため、微妙にぎくしゃくしてしまったみたいです。

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