縦10cm、横5cmほどの紙のお札

98 :本当にあった怖い名無し:2011/08/10(水) 15:21:02.84 ID:sy4H600T0
24くらいのときに転勤になって田舎のほうで新しく家を借りたんだ
勤務まで時間もなかったこともあり、早急に家を決めたかったので入った不動産屋で一軒家を借りた
一応見に行ってみたら、小学校裏で住宅街の一角、道沿いの2階建ての家だった
初めての一人暮らしってこともあり、やや興奮気味だったためか、後日気づく玄関にある『あるもの』には気がつかなかった

引越し当日、トラックを借りて自分で荷物を運び込んだんだが、手伝いに来てくれていた友人が玄関に入るなり「おーい」と呼んでくる
荷物を置く場所がわからないのか、と思い家に入ると、玄関の右側、備え付けの靴箱のずっと上ほぼ天井の部分を指差している

俺「どうしたの?」
友「いや、アレ、お札じゃない?」

確かにみてみると、それは縦10cm、横5cmほどの紙のお札だった
黄ばんだ紙に赤いインクで何かが書かれていたが、読めない
どうせ家内安全とかそういうお札だろうと思ってそのままにしておくことにした
大体にして、引越しのときにそういうものに触れるのはNGだとも思ったからだけど

ソレからは時間が流れるのも早いもので、毎日22時前に帰宅し風呂に入る気力もないまま眠る日々が2ヶ月ほど続いた
時期は夏も終わり、もうすぐ冬というところだったように記憶している

ある日季節はずれの台風か、というほどの大雨が降った
仕事は雨が降るとやりにくいため早々に帰宅できて、久々に酒でも・・・と思いビールと晩御飯を買って帰宅した
車を駐車場に入れ玄関を開けて入ろうと扉を引くと中からむわっとした生暖かい空気とともに一枚の紙がヒラヒラと落ちてきた

引越し初日に見つけたお札だった

湿気がものすごかったから、はがれて落ちてしまったんだなぁと思いつつ靴箱の上において風呂に直行した

風呂から上がり、キンキンに冷やしたビールをあおり、ネットゲームを起動して友人と久々の狩り
2ヶ月ぶりに楽しい時間を過ごしたが、やはり日ごろの疲れがたまっていたのか、酒の酔いもあり眠くなった
時間は大体2時半前後だったと思う

布団に入り、テレビを消した
携帯電話でオークションなんかを見ながらウトウトとしていたが、どうやら眠ってしまったらしい

時間はわからないけれど、急に目が覚めた
体中汗でビチャビチャになり、異常なほどの寝汗をかいていた
動悸は激しく、汗はまだ止まっていなかった

よくある『金縛り』というものではないが、なぜか体を動かすことを頭が拒否している
ひたすら布団にもぐりこんでしまいたいという気になっている

なぜかそんなことを考えていると、急に天井から物音が聞こえた
(ズズズ・・・・ゴト)
何かがはいずっているようなそんな音がするのだ

最初は田舎だから、ネコやヘビなんかが屋根裏にでもいるのか・・・とも思った
けれど音が妙に重いんだ
ソレこそ板の薄いところで匍匐前進をしているような、そんな音だった

鳴り止まない音はずっと天井をズリズリ、ゴトゴトとはいずっている
あまりに気味の悪さに、暑くても布団から出られなかった
どんどん出る汗に我慢できず、テレビのリモコンをサっと取り、電源を入れた

テレビからお笑い芸人のバカみたいな声が聞こえたが、それがうれしかった
音はとたんに聞こえなくなり、汗だくのまましばらく布団をまとって座っていた

後日、友人にその話をしたところ、散々笑われた

友「ありえんってwwネコとかネズミやったがやないが!!」

言われてみればその通りだ
気にしすぎていたのかもしれないと思った

その後会社に有給申請をし、1週間その友人と飲み明かしたり、ゲームを楽しんだ
そしてまた何気ない日々に戻り、屋根裏の音のことはすっかり忘れていた

それから数ヵ月後、会社の都合でまた本社に戻るために1年足らずで引越しになった
近所で知り合いになったDQN夫婦に挨拶をしにいくと「え?もう出て行くの?」といわれた

D夫「おいD嫁、俺さん引っ越すって!」
D嫁「え、本当?」
俺「すいません、せっかく近所の人とも仲良く慣れたのに・・・悪いね」

するとD夫とD嫁はこんなことを言い出した

D夫「いやぁ、俺たちここに5年住んでるんすけど、その間に4人入ってきたんスよね」
D嫁「そうそう、最初の人は半年で出て行ったし、4人目の人は挨拶もなしにいつの間にかいなくなってたし」
D夫「そういえばそこの角の家のおじさんとおばさん、ここらが田んぼのときからいるらしいんすけど、なんかあの家のあった場所って昔なんかあったっていってなかったっけ?」
D嫁「ああ、なんか建物があったって・・・けど別に普通の家だって言ってなかったっけ?」

気になった俺は、引越しの当日、挨拶もかねて話しを聞きに行ってみた

俺「こんにちは、俺です」
おじさん「ああ、引っ越すらしいね」
俺「はい、お世話になりました。それでちょっと聞きたいことがあるんですが・・・」

軽い感じでこんなことがあったんですよ~というとおじさんは顔を曇らせた

おじさん「怖いこというなやw」
俺「すいませんw」
おばさん「あっこはね、昔知り合いが住みよったがよ。娘さんが具合が悪うなってすぐに引っ越したけど」
俺「へぇ・・・」

結局二人からはこんな話しか聞けず、消化不良のまま引っ越した

それから半年ほどたったころ、友人がおかしなことを言い出した
「毎晩アパートの階段を誰かが歩き回ってる、下の部屋の住人が夜中に掃除機をかけ出したりしてうるさい」と
あまりに頻繁に言うので鬱陶しくなって不動産屋に連絡して相談してみた

不動産屋「したの階の方は介護施設の方で、言われている日には全部夜間出勤されてますよ」

その話をきいた友人は絶対嘘だ!と騒ぎ始め、手に負えない
それからも1ヶ月ほど物音に悩まされたらしく、ついに下の部屋に殴り込みまでかけ警察沙汰になった
部屋からも追い出され、実家からも追い出され、祖父母の家に厄介になるも、隣家とのトラブルを頻繁に起こし、ついには県外へ無理やり追い出された

今はもう連絡は取っていない
ノイローゼ気味になってから、こちらもかなりの被害を受けたので友人関係は一切なくなってしまった

今考えると、あの家から何かが彼に憑いて行ってしまったのかもしれない


長文失礼しました

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