「どん、どん」と音がする
317 :251:2011/07/04(月) 13:20:16.97 ID:vHzG/0lz0
続きが少し。
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その後、少しの間は何事もなく
オカンもそのアパートに段々と慣れていった。
そんなある夜、床についているとまた
「どん、どん」と音がする。
ハッと目が覚め、起き直り、枕の方に向かって座るような形になった。
なぜか今回は金縛りに遭うことはなく、体は自由に動くようだ。
何日ぶりかに現れたその男は、
相変わらずもの凄い形相でオカンを睨み付け
「どん、どん」と畳を叩き続ける。
正対するように布団の上に座り、オカンは怖さと、
やはり軽いパニックと、さらに自分が暴走しそうになるのを抑えつつ
(なんで?なんで??)と思いながら、その男を見つめ続けてた。
やがてその男が消えたのか、途中で自分が眠ったのかわからないが
次に気がついた時にはもう朝で、布団の上で動物のように蹲っていたそうだ。
さすがに堪えたオカンは、実家の父親に電話した。
すると祖父は話を聞き終えるとしばらく黙り込み、
「大家さんに話して床を捲ってもらえ」と言った。
いきなりこんな話を持ち出して信じてもらえるかどうかは疑問だったが
早速オカンは出勤前に大家さんに話してみた。
意外にも大家さんはすぐにそれを聞き入れた。
ただし、他の住人には内緒にしてくれとのこと。
仕事先には適当な理由を告げ、午後に早退、
大家さん立ち会いの下、業者を呼んでもらい、畳と床板を捲った。
その時、オカンは震えが止まらず、逆に大家さんは大粒の汗を拭っていたそうな。
いよいよ土を掘り返すと、業者の「うぁ・・・」という低いうめき声とともに
一体の人骨が現れた。
ある程度の予想はしていたにもかかわらず、いざ現れるとさすがにショックだったと言っていた。
大家さんも心当たりがあったのか予期していたのかはわからないが、
すぐに近くのお寺に連絡がゆき、骨は丁重に葬られた。
母は大家さんの計らいで空き室へ移動し、重ねて口止めをされたらしいが
実家の父親には電話で報告を入れた。
祖父は「おまえが自分の上で寝ていたので、怒って起こしに来たんじゃないか」
と笑っていたらしいが、すぐに真面目な声になり
「自分に気付いてくれる人間が来たからだろうな」とも言っていたらしい。
この話には後日談があり、それから暫くしてからの事なんだが、
オカンが仕事からの帰り道、
けたたましくサイレンを鳴らして消防車が通り過ぎた。
気付くと西の空が赤く、そして靄っている。
(ひょっとして・・・)
急ぎ足で帰ってみると、イヤな予感は当たっていた。
火事になったのは、オカンが住んでいるアパートだった。
アパートはほぼ全焼、家具や家に置いてあった物は全部灰になってしまった。
そして焼け跡の土の下から、何体かの人骨が発見されたそうだ。

