「ヌシ」だけはヤバイ

40 :本当にあった怖い名無し:2011/05/25(水) 12:15:01.81 ID:pGM1XgsP0
長い付き合いになる、霊感持ちな友人が二人いる。
その二人と友人になってから、それまで縁のなかった
不可思議な体験が、日常茶飯事になっていた頃の話。

ある日、友人Aの家に遊びに行った。
よくある団地っぽいマンションなんだけど、どうも友人の話では
曰くつきのマンションらしい。
Aも色々体験しているそうなんだが、特に危険なモノはいないそうなので、
家賃が破格ということもあり、気にせずに住んでいるそうだ。
ただ、ひとつだけ。
Aの家の、とある一室の押入れにいる「ヌシ」だけはヤバイ。
と、真剣な顔で行く前に教えてくれた。

「ヌシ」って言っても、友人が勝手にそう言ってるだけで、
特に何かの主ってわけじゃないそうだ。
ただ、他のモノよりもアピールがひどいし、昼間でもはっきりと見えるぐらい、
存在感が半端ないらしい。
まぁ、俺も好き好んで関わり合いたくないので、素直に分かったって、
その時は頷いておいた。

Aの家に到着して、色々と洗礼は受けたんだが、それはまた別の話。
とりあえずそこまでは危険なモノにも会わず、そろそろ夕飯の時間って頃になると、
じゃあ、そろそろ飯作るわって、Aが部屋出て行った。
なんとなく手持ち無沙汰にしてると、
どこからか、目覚まし時計のアラームの音が聞こえてきた。
あいつ、夕飯を作る時間とか決めてるのかなー?とか最初は思って放置してた。
でも、少ししてから気付いたんだ。
「この部屋に目覚まし時計なんて置いてない」って。

気付いた後もずっとアラームはなってるし、友人も全く止めにこない。
しかもよく聞いてると、そのアラームって押入れの中から鳴ってる。
そして何故かその時、俺は押入れを開けてアラームを止めなきゃって気分になってたんだ。
あれだけAに止められてたにもかかわらず。

押入れの前に立って、取っ手の部分に手をかけて開けはじめた。
数センチぐらい開けた時、いつのまにか部屋に戻ってきていたAが、
「やめろ!」って大声で叫んだ。
そして、思いっきり叩きつけるように、押入れを閉めた。
今でも思い出せるけど、あの時以上のAの切羽詰った顔は見たことがなかった。
俺がすごいびっくりした顔でAを見てると、いきなりAが「ごめん」って謝った。
「お前がこういうのに呼ばれやすいの忘れてたわ」って。

その時、自分が初めて呼び寄せやすい体質だって教えてもらった。
もう一人の友人Bもその事を分かっていて、二人して、何か変なモノに憑かれたら、
俺の家に来て置いて行ってたらしいorz
ただ、俺自身があまり影響を受けにくいタイプみたいで、それなりに強いモノでも、
大して問題にならないそうだ。
むしろ、いつのまにか置いていったモノが消えてるんだと。

そんな話を聞きながら、Aにさっきまで、押入れの中でアラームが鳴ってた事を伝えた。
Aはあからさまに嫌そうな顔をして、

「押入れの中の目覚まし時計な? もう何年も電池入ってねぇよ」

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