個室に入っていく人
0441 本当にあった怖い名無し 2011/05/06(金) 22:03:00.74 ID:/n3io7KR0
そういえば幽霊とか関係ないかもしれないが、こんな事を体験した。
確か俺が中学生ぐらいの時だった。
地元の街中に巨大なショッピングモールができた。
まあ所謂郊外型のショッピングモールな訳だが、
郊外型とは名ばかりでそのショッピングモールは街のド真ん中の工場跡地に建てられている。
広いゲームセンターがあった事もあり、俺もよくそのショッピングモールに通っていた。
ある日の事、俺は尿意を覚えエレベーターの傍にあるトイレへと駆け込んだ。
ギリギリまで我慢していた事もあり、若干前かがみでトイレに入っていった訳だが、
トイレに入ったところで個室に入っていく人が見えた。
「見えた」といっても俺は前かがみだった訳で、視界には下半身しか映らなかった訳だが、
その人は黒いズボンに黒いスニーカーを履いていたのをおぼえている。
自分は個室の真ん前の便器を陣取り用を足した。そして充足感に包まれながらふと、後ろを振り向いた。
個室の中には、誰も居なかった。
トイレの個室は誰も使っていない時は開いている方式で扉と壁は数センチしかなく、人が隠れる隙間も無い。
念のためにもう一つの個室も見たが、そこにも人は居なかった。
トイレに入って用を足しながら後ろを振り向くまでは数秒、
その間に人が出た気配も無かった。
気味が悪くなった俺はそれからそのショッピングモールには行かなくなった。
それから約一年後、その出来事を既に忘れ去っていた俺は、ある日親と一緒にそのショッピングモールに来ていた。
食事をし、ゲームセンターで遊んでいたところ、ふと便意を覚えた。
強烈な便意に俺は一番近かったトイレに行き、個室に入った。
その時、ふと、一年前の不思議な体験が脳裏を過ぎった。
「しまった」と後悔しつつももう遅く、便意は限界まで来ていた。
仕方ないので「さっさと済ませて出てしまおう」と腹をくくり、ズボンを下ろそうとした時、ハッとした。
黒いズボンに黒いスニーカー、自分の服装はあの時見た足そのものだった。
これが俺の唯一の不思議な体験だ。

