おあーーーーーお

961 :本当にあった怖い名無し:2011/04/19(火) 21:45:58.32 ID:CXG2E+AoO
携帯から失礼。ちょっと長い。

冬半ばぐらいの話だ。

日が暮れて、辺りは真っ暗だった。駅から家に向かって帰る道には公園がある。丁度その公園の横を歩いていたときだった。

「おあーお…おあーーーお…」

猫の鳴き声みたいな音がした。一瞬人間の赤ちゃんかと思って吃驚したけど、それにしては野太い。発情期になると猫が赤ちゃんみたいな声出すだろ、あんな感じ。
鳴き声がした方を見ると、普段昼間でも人の少ないその公園の中に、珍しく人が立っているのを見つけた。
ブランコの座る部分の隣に立っているのは、禿げ頭の爺さんだった。六十代くらいかな。電灯の近くだったから、着ていたスラックス?の色もよく見えた。
その爺さんはこれでもかってくらいに口を開けて声を出した。

「おあーーーーーーーお」

さっきの声はこの爺さんが出していた。気味悪くて近寄りたくなかったけど、迂回ルートが工事中で、そのブランコの後ろの道を通らないと帰れない。
仕方ないからなるべく爺さんを視界に入れないようにしてその後ろをそそくさと通り過ぎようとした。
そうしたら、俺が爺さんの真後ろに来た途端、ガチャガチャガンガンカンカンッて金属をむちゃくちゃに叩く音がした。
吃驚して思わず音のした方向を見ると、爺さんがブランコのチェーンを持って鳴らしてたんだ。心臓バクバクしてさ、俺はその場で硬直した。

爺さんは右手を頭の横辺りに持ってきて、何か掴んだと思うとそれを引っ張った。

「ぐぇぇええええっ!」

爺さんが悲鳴を上げた。何事かと思って凝視すると、爺さんの首に縄が掛かってて、それがブランコがぶら下がっている鉄の棒に伸びていた。更にそこからロープの先が爺さんの手元に伸びている。
爺さんは自分の腕で首を吊っていた。しかもロープを引っ張る力を緩めたり入れたりしてるみたいで、爺さんの手が上下するのと連動して頭が何度も痙攣するように動いた。

「ぐぇぷっ!ぐぎぎっ!ぎいいっ!おぇええっ!ぐぇっ!ひひぎっ!」

そんな感じで何度も首吊ってんだよ、爺さんが。俺どうしたらいいのかわかんなくて、腰が抜けたみたいにその場で石になってた。泣くかと思った。
その内爺さんが盛大にゲロ漏らして首吊る手を止めた。そんで、俺の方を見たんだよ。白目剥いたゲロ塗れの顔が俺を見て、

「げひひいいいいいいいいいいいいい」

って笑い声か何なのかよく分かんない声出した。俺は走って逃げた。正直泣きそうだった。




それから公園でその爺さんを見ることは無くなったけど、俺には霊感とか無いし、その爺さんに精神的な問題があったとか夢遊病みたいなもんだと思うことにしてた。
のに、つい先週、その公園を通ったら、爺さんじゃないけど近所の高校の女子高生が一人でブランコの下に立ってた。
白目向いて口大きく開いて「おあーーーーーお」って鳴いてた。

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