被害者家族

889 :本当にあった怖い名無し:2011/04/18(月) 01:33:54.97 ID:XFYGGvPU0
ある女子高生暴行殺人事件が起きた.
マスコミは残虐極まりないその事件に対して,
被害者家族からコメントを貰おうと必死に取材を続けていた.
被害者家族は常に取材を拒否し続けていたが,
突然被害者の兄が生放送での出演を条件に取材を了承した.
取材当日,兄は涙ながらに事件についての憤りを語り,
テレビ側は大いにその画に満足した.
司会者が最後に,『何か被害者やその家族に伝えたいことがあるか?』と聞いた時,
兄は泣き止み答えた.

『今回の加害者となった少年にはA(被害者少女)と同じ年頃の妹がいると聞きました.
確かに私は加害者の少年に心の底から怒りを感じます.

ですが,あなたはまた別です.
今後,あなたには様々な困難が訪れるでしょうが,
私はあなたにはしっかりと生きて欲しいと願っています.

Aはもう自分の夢を追うことや結婚して家族を作るといった幸せを得ることはできません.
ですから,あなたにはAの分まで幸せになって欲しい.
今はまだ話すことは望んでいませんが,
落ち着きましたら一度今回のことについてお話したいと考えています.

貴方の事を陰ながらずっと応援しています.
決してあなたのお兄さんのように過ちを犯してはいけません.
そんなことになっては,私はあなたを見守ることが出来なくなってしまいます.』

意外なコメントにテレビ側は驚いたが,理性的な兄の言葉に司会者は称賛を贈った.

しかし直後,兄は視線を司会者からカメラへと移して呟いた.





『逃げても無駄.』

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