お爺さんは先に行ってしまった

909 :本当にあった怖い名無し:2011/03/07(月) 22:56:17.75 ID:O/KJM0QwO
今から十年ぐらい前、
ある週末に友人達がウチに集まって遊んでたんだが、夜俺の母も加わって酒盛りしてると
自然に怖い話大会になり、そこで母がしてくれた話

母の父(つまり俺の祖父。この時には既に死去)が若い時、町に映画を観に行こうと山道を歩いていると
(母の実家から町に行く最短ルートというのががホントに山を一つ越えるんだ)
後ろから人の足音を感じたので振り返ると同じ集落に住んでいるお爺さんが自分と同じように山道を登ってきてた。

挨拶を交わすとそのお爺さんはさっさと先に行ってしまった。
祖父がその後も山道を登っているとまた後ろから足音が。
振り返るとさっき先に行った筈のお爺さんがまた後ろから来ていた。

あれ? と思っているとまたお爺さんは先に行ってしまった。
更にもう一回(計三回)、祖父は先に行った筈のお爺さんに追い越された。

用件を済まし、集落に戻ってくるとなんだか辺りの様子がおかしい。
家に帰って話を聞くと、祖父が出かけている間に近所に住むお爺さんが
自分の家で亡くなっていたのが見つかり、騒ぎになっていたらしい。

そのお爺さんというのが山道で祖父を三回追い越したあの人御本人だったそうな。




この話の後、皆しばらく黙っていたが、やがて友人の一人が口を開いた。

『…いや、同じ人間と何度もすれ違ったってのも怖いけどさ、それでもそのまま映画観に行ったお祖父さんもさぁ…』


皆、何も言えなくなった。

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