○○少年自然の家

172 :1/3:2010/06/26(土) 22:05:30 ID:hDk+tm+90
ちょっと長いけど、自分と友人Aの話。

自分は家系的に霊感ってもんがないんだけど何故か自分は家族の中では不思議なことにあうことが多い。
日常的に幽霊を見るなんてことはないけど何度かは見てる、はず。
自分にはっきりと霊感があるとは言えないので自信がない。
あと自分は気づかなかったけど、自分の部屋には5、6年ほど幽霊が住み着いて同居していたらしい。
自分はそんな感じなんで、オカルト系の知識はほぼありません。
友人Aは家系的に強い霊感があるらしく、いつも腕に古ぼけた数珠をつけているようなやつ。
念仏唱えられたり、やたら仏教のことについて詳しかったり、オカルト駄目って人にはドン引きされるようなやつ。
Aとは中一の時に知り合い、クラスは違ったけど同じ部活だったんで二学期辺りから仲良くなってった。
それでAと一緒にいると不可解なことがよく起きるわけで。

この話は中二の一学期の林間学校の話。
林間学校の内容は一泊二日で海で遊んだり、山に登ったりって感じのもの。
でもAにとっては海や山ってあんまり相性が良くないらしくずっと青い顔して普段より大人しかった。
海については言わなかったけど、山では幽霊とよくすれ違うらしい。
だからか教師がおばけ役をする肝試しは全然怖がらないA。
肝試し中怖い話をしたり、カゴメカゴメをわざと不気味に歌うAの横でビビリ続ける自分。
肉体的にも精神的にも疲れきって一日目のスケジュールは終わり、就寝。

で、その夜事件は起こったわけだ。
林間学校は「○○少年自然の家」なんていう古い施設に泊まったんだけど、あそこってなんて書けばいいのか、
大きい部屋に一階と二階に分けて畳が敷かれていて、生徒はハシゴで行き来できるっていうの?
二段ベッドではなく、一階と二階に分かれて布団敷いて雑魚寝って感じの部屋だったんだわ。
それで自分達は俺は二階、Aは一階という風に分かれていた。
十時に就寝して、自分はぐっすり熟睡してたんだけど、突然叫び声で起こされた。
何事かと思い目を覚まし、枕元に置いていた腕時計を見ると深夜2時過ぎ。
一階のやつらが煩くしてるので、一階のやつらをハシゴのところから見下ろすと、一階のやつらパニック状態。
二階の自分達は何が何だか呆然と顔を見合わせる。
特に酷かったのがクラスの不良の中心的人物で、普段偉そうにしてるくせに、何故か泣いている。
ただ騒いでいるだけなら、またかと思うだけだけど、ちょっと普段とは違う。
他のやつらがどう思っていたのかは知らないけど、俺は演技だとは思わなかった。
それだけ騒いでりゃあ、教師が来ないわけないわけで、教師二名到着。
最初は怒鳴りちらしてたけど、その不良何人かが怯えきっていて、教師の態度も軟化。
過呼吸気味の不良達を落ち着けるためにその場で熱心に話を聞いてやり背中なんかを擦ってやってた。
そいつらの話によると、そいつらのうちの一人が金縛りにあい、何人かが窓の外に変なものを見、
一人が突然床の上をうろうろ歩き出して、挙動不審な行動を取り始めたらしい。

教師二人は呆れはしていたけど割と優しかった。
その場が落ち着くまでそいつらの傍にいてやり、他の生徒達にも「お前らが寝静まるまでここにいるから大丈夫」
というようなことを言って、みんなそれぞれ布団に戻った。
自分も眠い目を擦りながら布団に戻った。
足元を見るとハシゴの向こうに、首をだらんとさせた虚ろな目の人達が見えたけど、
静かに寝かせろ馬鹿野郎と思いながら寝た。

翌日一階で騒いでいた不良たちは昨夜の件には触れず、食堂でも大人しくしていた。
そいつらとは仲良くなかったやつらは朝食を食べながら昨夜のことをこそこそと話していた。
Aと比較的仲が良く、Aの霊感のことを知っているやつらはAに寄ってたかって昨夜のことを聞いていた。
でもAは歯切れが悪かった。
何聞かれても「そうなんじゃないの?」「あいつらに聞いた方が早いよ」みたいな。
そんなAが期待外れだったらしく、クラスメートはすぐにAから興味を失い、
それぞれいつも通り仲の良いやつらとかたまっていた。
同じテーブルのやつらが他の話題で盛り上がっているときに俺はAに言った。
「昨日の夜、ハシゴの向こうに首がだらんとした目が真っ黒い人達見たよ」
Aは苦笑しながら「不良たちが言ってることは本当だよ」と言い、
「マジで憑かれてたしね(笑)」
ちょっと小馬鹿にしたような言い方だった。
緊張感が無かったので、不良に憑いたものはそんなに悪いものではなかったのかもしれないし、
そうじゃないかもしれない。その辺はAのみぞ知る話。
それ以上深夜に起きた出来事に興味はなかったので、そこで話を変えた。
「今日山だね」と二日目のスケジュールの登山についてAに言うと、Aは憂鬱な顔をした。
「そっちの方が大問題だよ」
そう言ってAは左手首につけている古ぼけた茶色い数珠をすりすりと擦っていた。

この話はこれで終わりです。
中学時代はAといると日常生活でもこの手の不思議なことがよくありました。
あと不思議な話聞かせてもらったり、A的自分の評価話とか。

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