ユウレイ君

683 :本当にあった怖い名無し:2010/02/25(木) 11:01:07 ID:Ka/hSqfo0
高校2年の時、クラスで「ユウレイ」と影であだ名される男子がいた。
まんまなあだ名の通り彼は非常に影が薄く、オカルトに傾倒していて、
同様にオカルト好きな僕とはよく話が合ったけれど、ユウレイ君が僕以外の人と親しげに話している所は見なかった。

まだ未成年の酒類販売の規制が甘かった当時、僕らダメ学生グループは、何か事あるごとに学校の近くの海で深夜の酒盛りをしていた。
けれど夜の海の景色は、僕だけ他のみんなと少し違っていた。

その海では、毎度と言っても良い位、そう遠くない沖に黒い人が立っていた。時には一人、時には複数で。
いつも見るので僕の恐怖は薄れ、話のネタにすらなっていたけれど
みんなが酔っ払って裸で海に入っても、僕は流石に黒い人が怖くて海には入れなかった。

ある日、誰かがユウレイ君も呼ぼうと提案した。怖い話要員としてだろう。
唯一仲のいい僕がユウレイ君に、みんなで海で飲み会しないかと訪ねると、二つ返事でOKしてくれた。正直意外だった。

夜の海でそれぞれ酒を持ち寄って待ち合わせする約束だった。
ぼちぼち集まり始め、ユウレイ君もやって来た、彼が沖の方を見た時、表情が引きつったのを僕は見逃さなかった。
最初にこの夜の海に来たときの僕もこんな顔をしていたのだろう。

宴が始まり、ちらちら海の方を見ながら黙りこくっていたユウレイ君も酒の力か、次第に口数が多くなり
怖い話から下ネタまで、他のみんなはユウレイ君が話せる奴だった事が判明したのが嬉しいみたいで普段よりもテンションが高くなっていた。

誰かが例によって脱ぎ出して、続いてみんな海へ駆け出した。
呆然と立ち尽くすユウレイ君に無理しなくてもいいよと言おうとしたけれど、次第に彼も服を脱ぎ出し海へ駆け出した。
驚いて僕はずっとそれを見ていた。彼の最初の態度から察するに、黒い人影が見えてないはずがない。

暫くして海から上がってきた彼にこっそり話しかけた。
「アレ見えてるんだよね?」
彼は手形のアザがついた足首を見せながら言った。
「幽霊になにかされるよりも、ユウレイのように過ごす方がよっぽど恐ろしいよ。」
後に人気者になるユウレイ君が肉体を得た瞬間だった。

まぁ嘘だけど

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