寒いから火をつけよう

486 :本当にあった怖い名無し:2009/09/08(火) 10:06:40 ID:UK3OEmIC0
私が小学2~3年生の頃だったと思う。
近所にある会社の寮が空き家のまま放置されていた。
そこは会社の敷地だし入っちゃダメだったんだけど、私たちはよくそこで遊んでいた。
ある日、友人のAちゃんとBちゃんが捨て猫を拾ってきた。
あちこちの家を訪問したけれど、どこの家も飼ってくれず、この空き家で飼うことになった。
数日後、何故かそのメンバーはクラスメートのC君やD君なども加わっていた。

ある日、C君が家にあったライターをもってきて「ここ、寒いから火をつけよう」といいだし
缶のなかに布や落ちていた木を詰め込み火をつけた。
火は思いのほかおおきく燃え上がり、近くにあった段ボール箱にもえうつり
私たちは急いで近くにあった水や猫のためにもってきていた牛乳をかけたりして火を消した。
その日は偶然Aちゃんの親がいないので、猫を連れて還った。

翌日、学校で授業を受けていると消防車の音が聞こえ、窓から自分たちの家のほうが燃えているのが見えた。
放課後家に帰ると母親が興奮気味に「今日ね、○○の会社の寮の空き地が燃えてたのよ」と報告してきた。
数日前からこの近くを怪しい浮浪者がうろついていたので、その人が放火犯だろうという噂が流れた。
阿呆だった私は何故かこれと前日の騒動を結びつけることができず、「あぁ、浮浪者が放火したんだ」と思っていた。

そして中学生になったある日、近所の家が火事になった。
それを最初にみつけて通報したのが私だった。
生まれてはじめて消防署に電話をかけながら、ふと「あの火事ってもしかして前日の小火が原因では?」と思い当たった。
翌日同じクラスだったD君に「あのさ、あの火事ってもしかして前日の小火が原因なのかな?」というと
怒ったように「今更何言ってんだよ。当たり前だろ。でももう二度と口にすんなよ。捕まるのはCだからな。」と口止めされた。

わかっていたけどあえて何も言わないD君と、
まったく気付かなかった自分の頭の悪さにほんのり…

※ちなみに、この時の仔猫はなんだかんだで我が家が引き取り、現在、我が家の主として君臨しています。

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