アルバム貸してやるよ

341 :本当にあった怖い名無し:2009/09/06(日) 10:42:40 ID:rMFpBODI0
あまり怖くないけどマジであった話を一つ投下するね。文章まとめてないから読みにくくてもご勘弁。

中学生の時かな。「タイタニック」の映画を観て感動して、主題歌を歌っていたセリーヌ・ディオンのファンに
なってさ、洋楽にハマッった時期があったんだ。
んである時クラスメイトのKが
「マイハート・ウィル・ゴーオン(タイタニックの主題歌)の入ってるアルバム貸してやるよ」
って言うもんで、あまり親しくなかったけど放課後Kの家に行くことになったんだ。

洋楽好きの仲間が見つかって嬉しかったんだろうな、Kは部屋に着くなりマニアックな洋楽の
話ばかりマシンガンのようにしゃべりだす。
で、勝手にしゃべって勝手に咽が渇いて、飲み物持ってくるって言って部屋を出て行ったんだ。

とりあえず一人になった私はKの部屋を見回してみた。外国の歌手のポスターが壁に所狭しと張ってある。
その中の一枚、歌手「グリーン・デイ」のポスターにふと目が留まった。
というのも、別にグリーン・デイに興味があったからとかそういうわけでもなく、理由は別にあった。

そのポスターの後ろから何か…文字の端っこみたいなのがハミ出てるのが目についたんだ。
それは一本の曲線で、半円のようなものだった。ただそれだけのモノなんだけど、すごく気になった。
壁に一体何が書かれているのか─ラクガキが隠されているのだろうか?それとももっと別の──

そして好奇心に負けてポスターをはがしてしまったんだ。

     のののののの
     のののののの
     のののののの
     のののののの
     のののののの
     のののののの

 裏の壁にはひらがなの「の」が狂ったように鉛筆でびっしりと書かれていた。

見てはいけないものを見てしまったような気がして私はポスターを大急ぎで戻し「頭が痛い」と言って
逃げるようにKの家を出た。心臓バクバク冷や汗ダラダラだったのを覚えてる。

それにしてもあの「の」は何だったのか、今でも疑問に思う。
ちょっと前にこれと似たような怖い話がネット上に載っていて驚いた。
「の」には何か不思議な、妙な魔力でもあるのだろうか──       終

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