自称なんとかの母みたいな占い師

165 :本当にあった怖い名無し:2009/09/01(火) 15:25:20 ID:gnvrRNELO
昔通ってた大学の学園祭はどうでもいい三流役者を呼んでた
当時は占いブームでなんとかの母みたいのがそこら中にいた時代で今回呼んだのも自称なんとかの母みたいな占い師だった
でも芸能プロダクションに在籍してる占い師なんて眉唾すぎた
まったく信用してなかった

実行委員だったので前日の昼から舞台の設置をして設置が終わったのが夜10時
会場の競技館から校舎までは広いグラウンドなわけだけど照明が落とされていてまっくら
そこを小さなライト1つだけで校舎の薄い明かり目当てに3人で歩いていった
普段心霊スポット巡りをしていた自分は謂われもなにもないグラウンドの暗闇にいっさい興味がなかったけど
あとの二人は恐いらしくかなり口達者になってしゃべり合ってた

しばらくして校舎から来る黄色い光がやってくるのが見えた
同時に「おーい」という声も聞こえてきた
誰か来たと思って「どうしたー?」なんて声をかけながら走りよっていった
自分の後ろを付いてきていた二人も人の気配になんだか気を緩ませた感じだった

少しして奇妙な気がした声は届くし光も近い
でも声は相変わらず「おーい」しか言わない
いくら暗闇とはいえ近いのに姿も見えない

直感的にこれ以上近づいたらまずいと思い「あ、忘れ物しちまった」とか言って競技館に戻り始めた
二人もなんだか煮え切らないような感じの愚痴を漏らしながらついてきた
でも二人もその時に声の異常さに気づいていたっぽい

軽くパニクりながらしばらく戻ると声も光も無くなった

忘れ物は明日でいいやなんて言い訳を言いながら校舎へ戻った

次の日
委員会として代表で学校に来た占い師を駅に出迎えた
駅で待っていた占い師と助手を見つけて近寄ると
占い師が自分を見つめると
「昨日は危なかった、よく気づいたね。アレに付いていくと引っ張られるから注意しな」と言われて手を撫でられた

道中話を聞くとストーカーのように占い師に付きまとう霊がいて行く先々で先回りしてる事があるらしい
自分らは見初められて連れて行かれるかもしれなかったと

なにもなくて良かったのと、本物はいるもんだと気づいた

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