呪いの木箱
643 :本当にあった怖い名無し:2009/08/18(火) 14:19:16 ID:viiKjz2zO
ほんのりと怖い話を投下します。
学生時代のお話をします。
僕は怪奇現象に遭遇しないオカルト部に入っていました。
心霊場所に行っては見えも聞こえもしない幽霊と格闘する日々でした。
しかし夏休みの心霊スポット突撃をきっかけに、大量の幽霊部員の中から
自称霊感の強い女の子を見つけ出します。
素人集団の中で異才を放つそのキモい子は沙織といい
かなりぶっ飛んでいたので皆からハブられていました。
僕は僕を含め霊感の無い友人達との活動に不満を感じていたので彼女の存在はとても良い刺激となりました。
夏の一件以来沙織は部に足を運んでくれるようになったので我が部の活動範囲も広がり
充実した学校生活となりました。
【呪いの木箱】
ある日沙織は(開けてはいけない箱)と呼ばれる小さな木箱を持ってきました。
中には事故で死亡した方の遺留品が入っていて、開けた人を呪い殺すそうです。
封がしてあるのにどうして開けたら死ぬなんて解るんだろう?量産品なのか?などと冷やかしていると、
沙織は鼻であしらいつつ「開けてみてよ」と僕らを見回してきました。
さっきまで威勢のよかった友人達も途端に黙り込み、モジモジと擦り付けあいます。
僕は皆の期待に応えるため木箱を手に取り紐を引き…
ドタンッ!
友人達は跳び跳ねるように部室の外へと逃げ出しました。
薄情者めと思いつつ僕は紐をほどき箱を開けました。
箱の中には小さなガラスが入っていました。
それは鳥の形を模しており、目の所には三本の傷がついています。
沙織「…どう?苦しい?死にそう?」
と頻りに聞いてきますが特に体には異常はみられません。
沙織はガラス細工を手に取り懐にしまうと「此が欲しかったの」と呟き、箱を閉じて紐を閉め直します。
僕は幽霊の呪いよりもこいつの方が怖いなと感じました。
終わり。