探検ごっこ

93 :本当にあった怖い名無し:2009/08/07(金) 13:38:50 ID:Mgb2YP+A0
俺が体験した怖い話。ちょっと長いけど怖かったんで聞いてくれ。

小学生の夏休み、友達と探検行こうぜ!て約束した。
俺と、K、T、Yの4人はいつもつるんでる仲間で、そのころは
探検ごっこがブームだった。
探検と言っても特にすごいことをするわけじゃなくて、通学路が山道で藪が生い茂ってたから
山の中に入って遊ぶだけだったんだけど
それが結構楽しくていらなくなった布団叩きで作った武器持ったり、食料に
お菓子持ち寄ったりして盛り上がってた。

約束通り友達と武器と食料もって集まったら、友達のKが「今日はいつもと違う
ところに行って陣地広げようよ」って提案してきてみんな賛成した。
それで今日は奥の方に行ってみようという事になった。
武器で草をかき分けつつ奥に入っていく。
木が多いから薄暗いし、草のむっとした匂いとか、本当に
冒険者みたいな気分になり、テンションが上がってた。

少し歩いた所で、急に開けた所に出た。その部分だけ木や草がきれいになくなっている。
地面の上に直にボロの絨毯が敷いてあって、絨毯の上には赤くて模様の入った宝石箱と、
レースとかリボンがついた洋服が数着、靴が2足くらいそろえて置いてあった。
なんていうかその一角だけ部屋みたいになってた。
その中で異様だったのは大きい木の箱。
所々豪華そうな装飾具がついてたんだけど装飾具もサビまくって、箱は黒ずんで
ベコベコになりすぐ壊れそうな感じだった。
最初は宝物発見か?!とか言ってたんだけど、なんか異様な物を感じ始めて
恐がりなYは「なんかここヤバそうだよ、帰ろうよ」と言い出した。
最初は遠巻きから見ていただけだったけど無敵(無謀とも言うか)で有名なTが
詮索始めて、「宝物ありそうだぜ」って宝石箱を開けちゃったんだ。
(他のやつらはいまいち手を出す気にならなくて眺めてるだけだった)
中から出てきたのは、ネックレスとか指輪とかペンダントの宝石類、なんか液体が入った
瓶がいっぱい。

Tは「やっぱ宝あった!」とか言ってたけど
他のみんなに「それ絶対に人のだ、持っていったらドロボウになるぞ」って言われまくって渋々戻した。
でもTは諦められなくて、クラスのやつに冒険した証を見せてやりたいから
持って帰れそうなものないかなって探してて。「このでかいの何が入ってんのかな?」と言って
一番存在感のある、でかい木箱に近寄っていったんだ。

みんなも何が入ってるのか興味はあってTを止めなかった。
「何かある?」
「まだ見てない。でもなんかくさい」
「くさいってどんなにおいだ? ウンコのにおい?ww」
「ちげーよ! そういうのじゃない。あ!ちょっとフタあいてる」
隙間からのぞき込んでるらしいTを、俺たちは見守っていた。
「何入ってる?」
「なんか…人みたいだけど黒っぽいよ」
「じゃあ人じゃないだろー」
今まで黙っていたYがボソっと言う。
「それ…死んでるんじゃないの…?」
側で聞いていた俺とKは戦慄して叫んだ。
「T、それやべえぞ逃げろ!!!」
「ええー!なになに!?」
「いいから逃げろって!!!!!!」

みんな一気に走り出し、通学路に飛び出しても止まらないでとにかく走りまくった。
その後は大人に言った方がいいとかそういう話になり、みんなで話に行ったけど誰にも信じて
もらえなくて、かと言ってまた見に行くのも嫌だし
その事はタブーみたいになって誰も口に出さなくなった。
一体あの部屋みたいなところが何だったのか、箱に入ってたのは
何なのか、今でも気になる。
ちょっと長いどころじゃないな、スマン

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