点々と床が白くなってるんだ

890 :本当にあった怖い名無し:2009/08/03(月) 01:26:54 ID:VO1Xv0Ng0
連投ごめん。また会社の話。食事中とか不衛生な話がダメな人はスルーして欲しい。


新卒の採用の手伝いをしてるんだが、その日の面接と試験が終わり、先に会場の片付けに入っていた課長に呼ばれた。

課長「悪いけど雑巾と掃除機持ってきてくれるかな?」
自分「どうしたんですか?」
課長「さっきの学生が、昼に出した弁当を食べこぼしてるみたいで、点々と床が白くなってるんだ」

テストの監督してた時には気づかなかったけど、食べこぼしなんてマナーのなってない学生もいたもんだ。
そう思いながら掃除機を引きずって応接室に行き、重たいテーブルをどかして驚いた。
学生が座っていたあたり一面に、白い粉をこぼしたように白いものがかかなりの量で散らばっていたからだ。
あまりの量にしばし呆然。床面はもちろん見えてはいるが、小麦粉をその場で撒いたような降り積もり方だ。

しかし、それはどう考えても食べこぼしなどではなかった。
いぶかって床に顔を近づけてみると、その白いものは粉状ではなく、大小ばらばらの大きさで、塊になってぽろぽろとしていた。
食べこぼしでなかったらいったいなんだ。 さらに目を凝らした自分は、声を上げてその場から飛びのいた。

課長「なんだ、どうしたんだ?」
自分「課長、これ、食べこぼしじゃありません」
課長「えっ?」
自分「人の、皮です……」

大きいもので親指の爪大のそれ。水を含んでぽろぽろになった小麦粉か、薄いギョウザの皮のようなそれ。
よくよく見ると、それらには手足や指のものの様な紋がくっきりと刻まれていたのだ。

彼が座っていた椅子の周りじゅうに、白い皮は満遍なく広がって散らばっていた。
なぜそんなことになったのか全くわからない。
面接中も、テストの説明を受けている間もやや投げやりだったが普通そうな学生だった。
課長と自分はその後黙々と掃除をして、それは見なかったことにした。

もちろん学生は選考を通らなかった。

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