顔を覗き込まれているような気配

625 :1/3:2009/06/30(火) 07:42:49 ID:5jj6JMUK0
小学校3年の時に体験した話。
を書こうと思ったのだが、その前に色んな怖い話見ておこうと思い、まとめサイトを見てたわけだ。

そうしたら、俺とほぼ同じ体験してる奴がいた。

でもとりあえず書くことにする。

小学校3年の時にオタフク風邪にかかって、40度以上の熱が出たんだよ。
更にその頃の俺はものすごい身体が弱かった
そして高熱のせいで、身体の細胞が死に過ぎたのを止めるため
(というのを大きくなってから調べて知った)

ビクッ…ビクッ…

って全身が痙攣してたんだ。

別に
く、悔しい…っ!
みたいなネタじゃないぞ('A`)

呼吸も意識しなきゃ出来ないような状況で、子供心ながらに死を覚悟していたのを覚えている。

40度を超える熱が出てから二日目。
未だに身体の痙攣は止まらないし、身体を動かす事も出来なかったが
意識朦朧というのは抜け出し、喋ったり思考したりが出来るようになった。

話が少し逸れるが、その当時住んでいた家は
玄関から家に入り左に曲がると居間で、右に曲がると風呂場とトイレがあり
玄関の目の前は階段で二階へという作りだった。

居間の扉のすぐ左側の壁にソファがあって、この時の俺はそこで寝込んでいた。
頭を扉側して。

我が家は母が看護師をしていて、勤めている病院から
(本当は持ち出しも打つのもダメなのだが)注射器を貰ってくる
というので、出払っていた。

父はもちろん仕事で居ない。

風邪で高熱出してる子供一人にして家を出る親って何だよ('A`)
なんて事を考えながら寝ていたら、玄関の方で人が居る気配がある。

木造のボロい家だったので、人が立って重心を変えるだけでギシギシいうような家だった。

玄関で
キシッ…キシッ…
と聴こえるのだ。

母が帰って来たのかな?
と思ったが、眠気があったので目を瞑ったまま気配だけを感じていた。

人の気配と音を玄関で感じたままボーッとしていると
その気配がいつの間にか俺の寝ているソファの前に来ているのだ。

しかも、顔を覗き込まれているような気配。

目を瞑ったまま眉間の付近に指とかを近づけるとその辺りがゾワ~ッてするあの感じ。
それが感じる。

寝ている俺を母が見てくれているんだな、と最初は安心して寝ようと思ったが何かおかしい。
何がおかしいのかは分からないがおかしい。

その異変はすぐに理解出来た。

まず我が家の玄関の扉はガタがきていて、鍵を差し込んだら
多少ガチャガチャやらなければ鍵が抜けなかったのだ。
その音がしなかった事。

そして、玄関から居間への扉を開いた時にいつもは感じる扉開けた時に起こる風を感じなかった事。

出かけるときに鍵も扉も全て閉めないと気がすまない母なので、鍵を閉め忘れたとは考えられない。

そもそも目を瞑っているから分からないが、かれこれ十分以上この「何者か」は俺の顔をのぞき続けている。
俺は恐怖よりも疑問が大きくなり、目を開けた。
するとそこに映ったモノは

赤

目に映るもの全てが赤。
天井も壁も電気も。
目の前に赤いセロファンテープを張られているような景色。

その中にあって、一つだけ赤くなかった

少女

僕の顔を横で覗き込んでいたのは、おかっぱ頭で黒と赤のモンペを来た5~7歳位の少女だった。
特に恐怖心は無く、「だれ?」という気持ちが先に来た。

俺と目が合うと、にっこりと笑って玄関へ去っていった。

次の日、俺の熱はひいていた。
あの少女は俺を助けてくれた座敷童子的存在だったのか
それとも俺を仕留め損なった死神的存在だったのか、今でも気になっている。

以上です。
怖いってわけではなく、奇妙な話でしたね('A`)
長々とすみませんでした。

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