妙な胸騒ぎ

707 :長文:2009/04/19(日) 20:26:05 ID:KTIPKKX6O

これは僕が小学生の時の実話です。
我が家は年二回程、母方の実家に遊びに行くのが習慣となってました。
片道400km弱の道のりをいつも車で。
父「よし、いくぞ!準備しろ」
その年の夏休み、毎度の事ながら父の気まぐれでいきなり出発する事になりました。
母、兄、弟、家中が準備でてんてこ舞い。
僕も準備しないといけないのに、今回に限って妙な胸騒ぎがしてなかなか手が進みません。
最初に考えたのが
(最期になるかもしれない。友達に連絡しておこう)
でした。わけがわかりません。何か嫌なものを感じているのですが、うまく言葉に出来ないんです。でも「なんとなく行きたくない」なんて理由じゃ父にボコられてしまいます。

そんな事をモヤモヤ考えているうちに、出発の時間がやってきました。

僕は半ば観念して車に乗り込み、父にこう言いました。
「今日はスピード出さないでね!」
混雑した田舎道では10台近くごぼう抜きするなど、父はかなりスピードを出すドライバーだったのです。これが小学生の僕に出来る精一杯の抵抗でした。

悪い予感は出発して1時間過ぎた頃に的中しました。
小さな町の近くの直線道路を走っている時に、父の様子がおかしいのです。
母「どうしたの?」
父「ブレーキが効かない、捕まってろ!」
ガコッ!ガコッ!
何度もブレーキペダルを踏み付ける音が聞こえます。しかしスピードは一向に落ちません。

かなり前方に赤く光る信号機と停車中の車が一台。
サイドブレーキを引くも一瞬速度が落ちるだけ。
父はすぐに五速から一速にギアチェンジしエンジンブレーキで速度を緩め、更にサイドブレーキを何度も引きました。
それでも停車には至らず、前方の車が目前に迫った時です。

ガリガリ!ガリガリ!

左側歩道の縁石にタイヤを擦りつけるようにして速度を殺し、最後は歩道に乗り上げた形でようやく停車させる事が出来ました。

怪我人も無く、安堵する家族全員。
すぐにJAFを呼び、家に戻る事になりました。
故障の原因は、ブレーキ用のファンベルト三本のうち二本が切れていたとの事です。

以上が僕の実体験です。あの胸騒ぎは一体何だったのでしょうか?
今まで誰にも話した事無かったのですが、オカルト板のみなさんなら信じてくれると思いカキコしました。

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