頭を壁にぶつけた

211 :本当にあった怖い名無し:2009/03/27(金) 12:13:36 ID:toYIQjMH0

小学校高学年の頃の話
友達A,Bと俺の3人で都営住宅の公園で遊んでた
ふざけ合いながら俺とBがAを追っかけまわしてワーワー遊んでいた
俺がAを捕まえてじゃれ合ってる拍子に、Aが頭を壁にぶつけた
「いってー」「大丈夫か?」なんつって、小休止した後にまた再開
その後くらいからだと思うんだけど、Aの様子がおかしくなった
俺とBがAを追いかけまわす状況は一緒なんだけど、Aが何かマジで逃げ始めた
さっきまでみたいなおふざけでなく、俺らに捕まったら殺させるんじゃないかってくらい必死に
しかも今までに見たこともないような全力疾走の凄いスピードで
一応俺らも追いかけるんだけど、もはやAの視界に入るだけで逃げられる
チャリでもなかなか追いつけないスピードだった
俺もBも疲れて「もう終わりにしようぜー」なんて言うんだけどAは聞く耳を持たない
ってか頭に入ってない感じ
らちが明かないから、俺とBで挟み撃ちにして取り押さえることにした
挟みうちは成功して、俺とBがAをガッチリ捕まえた
「ほら!もう終わりにしようぜ!!」なんて言うんだけどAの様子は変わらない
すげえ形相で歯を食いしばって「フー!!フー!!」なんて言ったり、低くうめき声を出したり
結局ものすごいパワーで二人とも振り払われて、また逃げられた
Aはもともと痩せ形なのに、ありえない力だった
さすがに怖くなったけど、Aを放っておくわけにもいかない
また何度か挟みうちで捕まえたりしたけど、悉く逃げられた
たまたまその拍子にAの靴が片方脱げて、俺が拾ったもんだから
「お前の靴は俺が持ってるぞー!欲しかったら戻ってこーい!!」なんつって呼びかけるんだけど、やっぱり聞こえてない
もう俺もBもヘトヘトだし、Aは相変わらず逃げ続けるし、もう夕方だし
もう仕方がないので俺とBは帰ることにした
「もう帰るからなー!!」って声も聞こえてなかったみたいだけど
奪った片方の靴はAの家の前に置いといた(Aの親が靴を見つけてたら警察沙汰になってたかもなって今更思う)

次の日、学校に行ったらAは普通に学校に来た
で、俺に「昨日は何があったの?」なんて聞いてくる
話を聞くと、追いかけられてた途中から記憶が全く無くて、気づいたら路上で倒れてたらしい
訳が分かんないまま片足裸足のまま帰って、家に着いたのは6時過ぎとか7時前とか
俺とBで昨日あったことを説明したけど、Aは信じなかった
てか、認めたくない感じだった
この話は俺らの中でタブーみたいになって、あんまり話題には上がらなくなった
そのうちに記憶も薄れて、もしかしたら夢だったんじゃないかなとも思った
でも、この間久しぶりにBと飲む機会があって、この事を聞いたらやっぱり覚えてた
Aとは中学卒業以来全く会ってない

俺はAに狐でも憑いたんじゃないかなと思ってる
逃げてる時の様子がマジで獣みたいだったから
これがおれの人生の中で一番不可解な話

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