ため池

801 :本当にあった怖い名無し:2009/03/04(水) 05:49:28 ID:Z9uDO1P50
私が保育所の年中さんぐらいの冬に体験した話。
ばあちゃんの家に泊まりに行ってた私は、昼にひいばあに連れられて近くの所有する田んぼまで散歩しに行った。
年間雨量が少なくてため池の多い地域で、その田んぼもあぜ道を挟んですぐ隣がため池だった。
雪もろくに降らないから、ため池にはほとんど水がなくて池の底の方まで水がなかった。
私は、はじめは田んぼを駆け回っていたがそれにも飽き、池に小石を投げ入れるのに夢中になった。
結構大きいため池だったので斜面もそんなに急じゃなかった。斜面の方にある石を取ろうとして身を乗り出した。案の定、滑ってしまい池に落ちてしまった。
パニクってしまってなかなか止まれずゴロゴロ転がり、水にぎりぎり着かない所でようやく止まった。
もう少しで池の水に突っ込んでいくとこだったと冷や汗をかきながら、池を見渡した。
池のちょうど真ん中辺りに青白いでっかい茶柱みたいなのがぷかぷか浮いているのに気が付いた。よく見てみると人の"手"だった。
びっくりしてずっと見てると、あぜ道のとこからひいばあが「大丈夫?」と声を掛けてくれた。ほっぺを擦りむいてたけど他は何ともなかった。
あぜ道に上がった私はひいばあに「手が浮いとる」と池の真ん中を指さす。ひいばあは目が良くないみたいで「どこじゃあ?」と繰り返すばっかりで、分かりやすく石を投げてみた。
飛距離が足りなくて手の手前に落ちたけど、その波紋で手も縦に揺れていた。
その時になんか黒い影みたいなのが手の下(水中)に見えて、怖くなって家に戻ろうとひいばあを急かした。
ひいばあは結局分からなかったみたい。
次の日、親が迎えに来る前にもう一度そのため池まで行ったが、青白い手は浮かんでなかった。
また怖くなって、走って戻った。
迎えに来た親に話したけど、軽くスルーされたと思う。
10年以上経ったけど、死体があがったっていう話はない。一緒だったひいばあも今ではボケてしまっているので確認できない。

乱文失礼しました

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