バナナ

746 :バナナ 1/2:2009/03/01(日) 10:58:13 ID:LGfbquok0
テスト前だから早朝まで勉強してたんだけど、喉が乾いてしょうがないから母屋までコーヒーを作りにいったんですよ。午前五時くらいに
そしたら仏間に誰か居て、よし此は洒落怖に書くしかねぇなとか思いながら通り過ぎると、急に硝子障子が開いてひいじいちゃんが顔を出した
「なんや、○○、もう起きたんか」
「いや、今までずっと起きとったんやけど」
そう言うとじいちゃんはちょっと顔をしかめて、こんな時間まで起きとったらいかん、と言って仏間から出た
じいちゃん何しとったん、と聞くとばあちゃんのお参りをしていたという
俺が台所へ行ってコーヒーを作ろうとすると、そんなもんを飲んだら寝れなくなるからいかんと言って牛乳を飲まされた。ひいじいちゃんはじいちゃんの席に座って机の上にあったバナナを食ってた
「お前もバナナ食うか」
「ええ。お腹減ってへんから」
バナナは嫌いだったから断って、さてまた勉強するかと離れに戻った。ひいじいちゃんは無言でバナナ食ってた。
それでさっき起きて、母親にこんなことを聞かれた
「あんた、バナナ食べた?足りやんのやけど」
「うん。腹減ってたから夜食った」

あんたバナナ死ぬほど嫌いやったやん、と母に驚かれた
「寝ぼけっとったんやって」
で通した
仏間の壁には俺が生まれる前に死んだひいじいちゃんと、俺が一歳の時に死んだひいばあちゃんの写真が並んでいた

寝ぼけてたんだなぁ、と仏壇に手を合わせながら思った

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