ようこそ●●へ

531 :怖がりです1/3:2008/12/22(月) 05:35:26 ID:ATHTgoZr0
具体的に何かがあった、というわけではないのですが、個人的にちょっとゾッとしたのともしその土地について何かご存知の方がいらしたら教えて欲しいと思ったので
書き込みさせて頂きます。
ただ、その土地が本当に"怖い"ところなのか霊感が殆ど無い(と思う)自分には
断定できかねるので(住んでいる方に失礼があってもいけませんし)、
もしこの話に興味を持って下さった方がいらしたら、土地の名前は具体的にさせて頂きます。
逆に「そういう土地の名前は書かない方がいいのでは」という意見が多数ありましたら
書き込みません。

それから、本当に文章ヘタです。許してください。

では。私が大学三年生の、初夏…6月だか7月ぐらいの話です。
当時、とあるサークルの幹事長を務めていた私は一つ上の四年生の先輩と一緒に、
夏合宿の候補地をレンタカーで巡っていました。
私は試験前ということで、本当は勉強もしなければならなかったのですが、夏合宿の
予約を入れる締め切りも迫っていたので、一応幹事長としてはなるべく安くて、
昼間は観光、夜は静かに勉強会も出来そうなそれなりの場所を探さねばなりませんでした。
(ちなみに合宿といっても文系のサークルなので、勉強会と遊びが目的でして…)

一つ上の先輩は大学四年生で、当時かなりの就職氷河期だったにも関わらず、
きちんと内定を貰っていて、後はのんびり学生時代を満喫するだけといった具合でした。私が運転免許を持っていなかったので(涙)、快く運転手を引き受けてくれたのでした。
合宿先は、新潟か長野あたりの山にしようということになっていました。
既にいくつかの業者から宿泊先などのリストを貰っていたので、その場所を
実際に巡っては、交通の便が悪いかなとか、観光地まで少し遠い宿泊所だなとか、
まぁそういったことを、その周辺でチェックしていたわけです。

よく覚えているのは、とても晴れていたこと。東京と違って妙にバカ高いビル等が
ない代わりに、夏の日差しが気持ちよく視界を照らしてました。
空も青くって、目の前にガーンと広がっていて、何だかもう、汚れた空気ばかり
吸っている自分達が浄化されていくような気分。
「いいドライブだね」なんて、先輩と二人で笑ってしまいました。

しかし。

ふいに視界が一瞬暗くなったのと同時に、背筋がゾッとしました。手が急に冷え込んだのを覚えています。
また、先程まで思いっきり気持ちいい快晴だったのが、曇り空に変わっていました。
山道、つまり山にいたわけですから、天気が変わりやすいのかもしれません。
そう思って「天気、変わっちゃいましたね」と運転席の先輩を見たら
「う、うん…そうだけど…何か変じゃない?」と怪訝な表情をしていました。

私も何か先程までと雰囲気が違うと感じていたのですが、敢えて返事をせず、
助手席の窓から外を見やりました。

思わず「わっ」と声をあげてしまいました。
「どうしたの?」と先輩が車を停めます(信号は勿論、他に車通りもなかったので
いきなり停車しても問題の無い状況でした)。
すると先輩も「えっ」と驚いていました。

どうやら先程とは違う土地に入ったようで、「ようこそ●●へ」と書かれた
看板やオブジェのようなものが、左側に立っていたのですが、
その看板の文字やオブジェがやたら不気味なのです。
まず看板の文字。普通だったら、ゴシック体などのクッキリした文字かと
思うのですが、…何て言えばいいのかな、例えば漫画などで叫び声に使われるような
おどろおどろしい感じの文字。
古そうな看板ではあったので、ひょっとしたら元の文字が雨などで歪んでしまったのかもしれませんが…いや、そうは見えませんでした。元々が、ああいった、歪んだ
文字だったのだと思います。

さらにオブジェ、これは森林の木に顔が描かれたモノで…
似ているとしたら、星のカービィに出てくる初期のボス(笑)なんですが、
分かる方いらっしゃるかな…
とにかく、黒くて丸い目が二つに、鼻、真っ黒な口があって、笑っている表情に
なっているのですが、笑いの種類ってのが「嘲笑」とか「不気味」な感じの笑い。
歪んだ真っ黒な口。

そういったオブジェが看板をとりまくように、いくつか立っていて…。
どう考えても「ようこそ」と歓迎されているような看板やオブジェに見えませんでした

「何コレ…? 本当に不気味」と私。
「とりあえず、早くこの土地は去った方がいいかもしれない」と先輩。
引き返すことも考えたのですが、目的地までかなり遠回りになってしまうことと、
当時レンタカーにカーナビなんて付いていなかったので、道に迷ってしまうことを恐れてそのまま突っ切ることにしました。

周囲に田んぼが広がっていて、ぽつぽつお家も見える、一本道。
空は相変わらずの曇り空。
人っ子ひとり通らない道。
私はとにかく寒くて寒くて、車の冷房を切ってもいいか先輩に尋ねました。
先輩も寒かったようで、「ぜんっぜんOK」と冷房を切りました。
やがて霧が出てきました。
「うわ、先輩、霧が…」
「…山の天気は変わりやすいし、余り考えない方がいいよ、とりあえず何か
歌でも唄って」
「は? こんなときに歌ですか?」びっくりする私。
「車内を明るくした方がいいよ」と先輩。
何を唄ったらいいのか良く分からなかったけど、とりあえず
「宇宙戦艦ヤマト」を唄ってみました。(バカだ…)
お腹に力を入れて本気で唄ってみたけど、…何だか本当に身体は冷えたまま。

怖い。

私:「まだ、この土地抜けられませんかね…」
先輩:「どうかな…ん?」
先輩が何かに気づいたようなので、その視線を追ってみると。

道の左側に、十体ぐらいのお地蔵様が並んでいました。
余り人通りもないのに(っていうか、歩いている土地の人や、他の車をまだ
見かけていませんでした)、キレイなお花が添えられていて
「やっぱり誰か住んでいる人はいるんだろうな」と思いましたが…

よく見ると、そのお地蔵さんたち、何か、変だったんです。
頭がなかったり、手がなかったり…。

降りて確かめてみるべきなのでしょうが、とにかく意味不明にゾワゾワきていた
私達は、一刻も早く立ち去りたかったので、そのまま車を走らせました

そして、山の谷間を抜けたとき、

「あっ…晴れてる!先輩、太陽が見えました!」
「おおおおおおおお」
先程までの曇り空がウソみたいな、元通りの快晴。
少しずつ、身体全体の寒気が取れていくのが分かりました。
「良かった! 抜けられた」と私も先輩もおおはしゃぎ。

その後、特に何事もなく…
合宿先も決めて東京に戻ったわけですが、
あの土地って一体何だったのかなぁと、漠然と気になります。
先輩に「何だったんでしょうね、調べてみますか?」と聞いたのですが
「いや、…触れない方がいいんじゃない?」と返されて、まぁそうかもなと
思って、十年近く経ちました。

ちなみに私の霊感は…殆どないです。実家は小さな神社を持っているにも
関わらず。。ごくごく、ごーく稀に、何かを見る程度です。
だから、単なる私の考えすぎかもしれませんし…。

お話としては以上です。

ただ、もしああいったお地蔵様を祀っていることや、
この土地についてピンときた方など、何かご存知の方がいらしたら
お話を聞きたいな、と思って書き込みました。
読んでくださって、どうもありがとうございました。

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