母が入院した時の事

280 :本当にあった怖い名無し:2008/12/08(月) 12:04:23 ID:GAHOlujK0
高校時代、母が入院した時の事を。
母が倒れたのは二回目だったので、
兄と妹の私は一回目の時より冷静でいる事が出来ました。
母が体調を崩した原因は過労でした。
父を早くに亡くして以来、母はずっと頑張っていたので…。
これからはあまり無理をさせるまい、と兄と言いながら、
母が退院して来る日を待っておりました。
そして、母が退院する前日の夜の事でした。
なれない家事で疲れていた兄と私は早々と自室に入り休んでいました。
寝入ってから、どれ位経ったかはわかりませんでしたが、
廊下側の方からパチ!という音がして目が覚めました。
電気を点ける時の音でした。
奥の部屋の兄が便所に行く際に点けたのだろう、とその時は思ったのですが
「?」
それでもまだ、廊下側は暗いままです。
私の部屋からは廊下の様子がわかる様になっていました。
電球が切れてしまったんだろうか?そんな事を思いつつ、布団の中で丸まっていました。
「…」
何かおかしい。兄が便所に入る気配がまったくない。
不審に感じていると、ぺた、ぺた、ぺた、と…
裸足で廊下を歩く様な音が聞こえてきたんです。
それは居間の前でとまりました。私の部屋の真ん前でもあります。
それから少しして、カシャン!という音がしました。
居間にあるテーブルの上に何かを置いた様な音でした。
金属的な何か…私の家族は全員眼鏡を装着しているので、
兄に間違いないだろうと思いました。
兄は不安な事があったりすると寝つけず居間のソファでダラダラする事が
よくあったので、今夜もそれかな?などと考えながら、再び眠りに入りました。

翌日、居間に出てみると、ソファで寝ている筈の兄の姿がありませんでした。
春先だったので、やはり寒くて自分の部屋に戻ったのだろうとあまり深くは考えませんでした。
朝食の際、兄に向かって「昨日ここ(居間)に寝に来たべ?」と言うと、
兄は目を丸くしました。
「行ってねえけど」
「え…じゃ、廊下の電気点けようとした?点かなかったっぽいけど」
「それおまえだろ?」
思わずハ?となってしまいました。
兄の話によると、兄もあのパチ!という音と、
居間に向かってぺたぺた歩く音も聞いていたそうなのです。
そして、あのカシャン!という音も…。
(兄は私だと思ったそうです)
鳥肌をめっちゃ立たせて互いの顔を見合わせていると、
見計らったかの様に病院にいる母から電話が入りました。
母にこんな話をいきなりして不安がらせるのは何だとは思ったのですが、
とても怖かったのでこの事を伝えました。
母は「ああ、彼岸だから父さんかもね…」と、ちょっと嬉しそうでしたが、
兄と私は全然…
生前、父はよく裸足で過ごしていたし、やはり眼鏡を装着していたので、
父なのかもしれません…

長いくせにこわくなくてすみませんでした!
またロムに戻ります…

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