いつでも遊びにきてね!

943 :本当にあった怖い名無し:2008/11/16(日) 09:11:19 ID:eN+CRyDiO
母は北海道出身です。母は結婚する前、宮城県の仙台市で働いていました。
同じ職場にAさんという人がいて、母の仙台での唯一ひとりの親友でした。

時が経ち母は実家に帰りました。
しばらくして母は父と出会い結婚しました。
そして実家から少し離れた北海道のX市に住むことになりました。
そして僕が生まれました。
それから何年後、ある日僕と母でコンビニにいきました。
母が誰かに声を掛けられ、二人とも久しぶりそうに話をしてました。
Aさんという人でした。なんでも同じX市に住んでたという。
Aさんの家は息子は自立し、夫は半年に一回ペースで出稼ぎにいってるらしい。
なので、明日とかでも暇な時はいつでも遊びにきてね!みたいに言われていた。

僕はその時子供ながら、
この人無理に笑顔つくってないか?なんかピエロみたいだなぁ。
と思っていた。
車に戻ったら、母は嬉しそうにAさんの事を僕に話してくれた。

「Aさんはお母さんの親友なんだよ!」
という感じに、何度も何度も。

次の日僕は普通に小学校に行きました。
そして下校時間なり玄関に行った。

すると校門の近くの大きな木にひとだかりができていた。みんな悲鳴をあげている。
誰かが首飾り自殺をしたという。僕も見に行った。先生と先生の間を通り抜けて。

生まれて初めて足がカクカクになった。

Aさんでした。

僕は家に帰り、パートをしている母の帰りを待っていました。
母が帰ってきました。

「お母さん、Aさんがさ、学校の大きな木で首飾ってた!」

母は、やっぱり…という感じに泣き崩れました。

なにがやっぱり?


数年後、母にそのことを聞いたら
Aさんの夫はかなりのDVだったらしい。Aさんは足が少し悪いのと、無免許が理由で失業中だったらしい。
半年ごとに夫が出稼ぎから帰ってくるたび、いつ働くんだ!と言い、ひどくやられてたらしく精神的にまいってたらしい。
なので母も、何か悪い事が起きなければいいんだけど…
と思っていたらしい。

母は今でも、あの時会った次の日でも遊びに行けば、少なくとも早まらなかったはず。何か力になればよかった。
と言ってます。

県外の職場の親友が、

同じ市で結婚し、

同じ市に住み、

自殺する前の日に偶然会う。

やはり運命だったのだろうか?

これは本当に本当の実話です。

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