て、言ってほしいんです

654 :1/2:2008/09/06(土) 18:30:53 ID:XeLvCQfq0
4ヶ月前の体験。ある日の会社昼休み。
毎日外に昼メシ食べに出る際、いつも通りすぎるバスロータリーがあって
その日、そこのバス停の1つを通り過ぎようとした時、そこのベンチに座っていた
痩せた小柄なお婆さんが、こちらへ歩いて話しかけてきた。

とても困ったような、不安げな表情だったんで、よく道を尋ねられる俺はてっきり
「よし、この辺の地理なら大丈夫だから答えてあげよ」とスタンバイしたんだけど
お婆さんの表情、何かしんどそうな顔。「(あれ?具合でも悪いのかな)」
お婆さん「あの・・・すいません・・・」
「どうされました?」
「あの・・・、***・・」 「え?」
すごく気分悪そうな弱い声で言うので聞き取れず、こちらも訊き返してしまう。
「どうしました?」
「あの・・・カラダに・・ ・・しいんです」
肝心な所がなかなか聞こえない。
「え?なに、何ですか?」
「からだに・・~・・・て、言ってほしいんです」
え?何?言ってほしい??
聞き返して5回目くらい、お婆さんが力込めて、ようやく聞こえる言葉にした。
「からだに ‘線’ 入れないでっ・・・て、言ってほしいんです・・・。私の体に。」

その‘線’ってのが何なのか今でもわからない。
こっちは面食らってしまって、オウム返しするしかなく
「え・・・ 体に・・・「線」、入れないで・・・?・・・ですか?(焦りながら」

するとお婆さんは、それ聞いて5秒ぐらい、宙を見つめたまま黙り、そして
「・・・・ありがとうございました」
お婆さん、またトボトボとバス停へ戻ってしまった。座ってまたバス来るのを待ってる。

焦った。あまりに謎すぎて、お婆さんの体調も心配だったんで
あらためてこっちから駆け寄っていき、「本当に大丈夫ですか?」って声かけた。
お婆さん、どこかやっぱ青ざめた表情ながら
さっきよりは幾分なにか落ち着いた、気の抜けたような顔で
「いえ・・・ もういいんです。言っていただけたので・・・。 ありがとうございました。」
と言って斜め下見つめながら、ジっとしてる。それ以上は会話拒否するみたいに

俺も昼メシ食いに行かなきゃいかなかったし、そこで立ち去ったけど
帰りにまた通りかかった時はもう居なくて。
見た感じや目つき、格好や雰囲気から精神に異常キテそうな相手なら
そんな相手しなかったんだけど。その‘一言’以外の会話の仕方などから、ボケてる感じでもなく
普通にお買い物帰りのご夫人って感じだったんだよね。  ほんのり。

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