もうすぐ来ますから

422 :本当にあった怖い名無し:2008/09/01(月) 13:16:20 ID:cOTj9sD60
何年か前、両親がレイトショーのフォレストガンプを見に行った夜、まだ中学生ぐらいだった
俺は1人で留守番している寂しさと変に家が静まり返っているのが落ち着かなくて早々と
寝ることにした。
その時、夢を見た。

赤い照明に照らされた赤レンガで出来た地下鉄のホームに俺は立っていて。
辺りは誰も居ない、ただ照明としてある赤いランプで景色が赤黒く見える。
「もうすぐ来ますから」
不意に背後で声がして振り向くと、銀河鉄道999みたいな車掌服にサングラスをかけた黒い影
(生きている感覚がしない)が立っている。
その全体の雰囲気もさることながらいきなりの車掌の登場にビビりたくる俺、だけど平気なフリ
してそのままつっ立って何かを待ってたんだ。

トンネルの奥が明るく光る。電車が1両走ってきた。 が、様子がおかしい。
塗装は何もなく鈍く銀色に光る車体、ボルトも荒々しく止めてあり、窓もドアも無い。
俺の目の前で止まる電車、金属質な車体がうねうね動いてドアのような凹みが出来る。
「さぁ、早くお乗りください」
にやけたような声で背後から車掌がうながす。
と、同時に人生初体験の金縛りにあった。

金縛りにあって驚いて目を開けると、薄暗い天井が見えた、1秒ほど。
だがすぐに夢の続きの光景が見える、1秒ほど。
その繰り返しでコマ送り再生のように現実の天井、夢の中の赤い地下鉄のホームがパッ、パッと
再生される。
俺、ちびりそうなほどパニック。
現実の方は金縛りで声も上げられない状態だったが夢の中は動ける。
とにかく夢の中をどうにかしないと!と思ったので訳もわからず逃げる事に。
あんな不気味な電車絶対乗りたくない!という事だけはどんなにパニクっても判断できた。

ダッシュで車掌と反対方向に逃げようとすると車掌に捕まる。
「乗りましょう!さぁ乗りましょうよ!!」
強く腕を掴みながら叫ぶ車掌。
その間もずっと現実と夢とコマ再生のようになっている訳だが、車掌に捕まってもがいていた時、
今度は現実の方に天井に黒い大きな影が・・・。
感情だけは現実と夢と共通のようで、それを見た瞬間もう焦って焦って。
「うわーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
夢の方のみで叫び、とにかく車掌を振りほどいて走る。
後ろの方で「捕まえろ!!」という車掌のだんだん小さくなる声がして、やっと夢からも金縛り
からも開放された。

思わず飛び起きて息を整える、すごい寝汗だ。
天井を見る、もう黒い影もいない。
安心して疲れて俺は布団にもう一度倒れこんだ、今のはなんだったんだろう・・・

と思った瞬間、再び金縛りになった。
またもやコマ送りのように流れる赤いレンガ造りの地下鉄ホーム、そして自分の部屋の天井。
夢の内容はさっきの続きだった。
俺は相変わらず必死に走っていて、後ろを振り返ると車掌が追いかけてくる。
しかも1人だったのに4人にとか人数増えてる。
半べそで走ってやっと上に続く階段を見つける、迷い無く駆け上る。
これで外に出られる、出たら車掌は追いかけてこない、なぜかそういう事になってる俺の脳内。
すると金縛りが溶けた、が、相変わらず夢と現実のコマ送り再生が解けない。
何だよこれもーと思い横向きに寝返りを打った瞬間、またコマ再生のまま金縛りになる。
と、同時に夢の中の階段を駆け上がっていた俺、転ぶ。
追っ手が来るから逃げなきゃいけないのに動けない。
ガタガタ震える夢の中の俺、すると背後から優しく抱きしめられたんだ。

誰の腕か解らない、でも温かい感触。
だけど、現実は違った。
何故か現実の方では後ろから首を絞められている感覚がある、とても冷たい手で。
耳元で声がする、現実と夢と両方で。
「大丈夫だよ、安心して、僕は君を守るから」
夢では優しく抱きしめて、現実では首を絞めながら背後にいる『何か』はそう言った。
コマ再生されるその中で、暖かく冷たい首の感触が交互にやってきて、息ができなくなって
必死でもがいて飛び起きた。

文章下手でなおかつ長文スマソorz
その後特に何もなかったんだけど、今までの中で最恐の体験ですた。

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