○○ばばあ

920 :本当にあった怖い名無し:2008/08/15(金) 04:47:22 ID:Zwm2iZjO0
昔、県内の小学生が遠足で一度は行く『○○山』と言うのがあった。無論、今もある。
山と言っても、街中にあるこんもりとしたもので、遊ぶための広場、公園や小さな動物園、博物館まで
あったりと、市民の憩いの場になっている場所だ。
俺が小学生の頃だから、もう二十年くらい前になるか、その山について、妙な噂が流れていた事があった。

山頂へと続く、夕暮れ時の遊歩道をひとりで歩いていると、ふと坂の上に人影が見える。
真っ白な着物のようなものに身を包んだ、白髪の老婆。
それを見てしまったら決して近づいてはいけない。
いや、それ所か、今来た道を一目散に逃げなければならない。
なぜならそれは姿を見た者を、物凄いスピードで追いかけてくるからだ。

逃げ出した者は、しかし直ぐに追いつかれる事になる。直ぐ背後でそれの荒い息遣いが聞こえるからだ。
だが、前を向いて走り続ける限り安全。遊歩道の入り口まで逃げ切れば、いつの間にか消えているという。
逆に、振り向いたり、途中で転んでしまえばアウト。

その老婆は、山の名前をとって『○○ばばあ』と呼ばれていた気がする。
今思えば、他愛も無い話だが、当時の俺たちは信じていた。
遠足の時も、本気で休みたがる生徒は少なくなかった。

後年になって調べて分かったんだが、その山、西側に火葬場(今は取り壊されてる)や墓場に(今も健在)
石切場跡、更に古墳なんかもあるらしく、怪談が出来上がる条件としては絶好だったんだろう。
とは言え、何となく腑に落ちないのは、それらの怪談スポットが、この『○○ばばあ』の話には一切、
絡んでこない事くらいだろうか・・・

何か怖くも何とも無くてスマソ

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