親父の会社所有の保養所

254 :本当にあった怖い名無し:2008/06/23(月) 00:38:37 ID:cZ9cb07l0
20年程昔の経験談。
ちょっと長くなるが付き合ってくれw

当時付き合ってた彼女と、親父の会社所有の保養所(山荘)に行った。
結構な山奥で街灯なんて皆無。
夜にもなると静寂に包まれる。しーん・・・って音が聞こえるような感じ。
一応別荘地なんだけど、季節外れってこともあり周りの山荘には
誰も来ていなかった。車の有無で不在だと分かる。

で、夜20時頃かな、ふたりで焼肉食ってたんだけど、
「パーン!」って甲高い音が玄関辺りから聞こえた。
確認に行って何も無いので再びテーブルについた瞬間、
冷水を背中にかけられた様な寒気がして、震えが止められなくなった。
彼女が心配して布団を敷いてくれて、夏の終わりにも関わらず毛布にくるまった。
それでも震えは収まらなくて、歯をガチガチ鳴らして耐えてた。

そのまま寝ちゃったんだろうね、23時頃に目が覚めたんだ。
で、起き上がろうとした瞬間お約束の“金縛り”!
横で寝てる彼女に気付いてもらおうと声を出そうと必死にもがいてた。
後で聞いたけど、俺が「うぅーうぅー」って唸ってて怖かったらしい。
とても長く感じたけど数分も経ってないんだろうね。
金縛りってさ、目だけは動くでしょ?
俺の足元に真っ白なワンピースが見えたんだわ。
でも足そのものは見えない。
その時点で正直終わったと思った。

そしたら、あろうことか俺の体の真横をすぅーっと流れるように
頭の方へ歩いて(流れて?滑って?)動いて来る。
もう、頭ん中パニクって「南無阿弥陀仏」を繰り返して唱えてた。
それが視界から消えたと同時に金縛りも解けて、
彼女を叩き起こした・・・っつーか、俺の声を聞いてた程度の浅い眠りなんだが。
で、今起こった事実を伝えたら、衝撃の告白をしてくれた(笑

彼女、昨夜(2泊したので1泊目のこと)ね、言おうと思ったんだけど・・・
廊下を歩く音を聞いたって言うのよ、革靴の踵のコツコツって音。
歩く音からして男性だと思ったって・・・
頼むよ、もっと早く言ってくれ・・・と俺もう涙目。
その夜はふたりとも眠りにつけず、日が昇るまで無理やりハイテンションで話した。

ようやく夜が明けて麓の管理人宅にゴミ出して帰ろうかとしたら、
「あれ?もうひとりの方は?」って・・・ここで再びガクブル。
帰り道はいつになく慎重に運転して帰って来たって話。

だらだらと申し訳無いが、この話にはオマケがある。
そんなことがあってから2年後、今度は婚約者(前の彼女ではない)を連れて
保養所に出掛けたのよ。そう、馬鹿な俺は前回の怖い体験をすっかり忘れてた。
思い出したのは保養所の前に車停めた段階・・・時既に遅し・・・

婚約者を怖がらす訳にもいかず、でも落ち着かない。
家の中ではずっとそばにいたな。寝る時も密着してた。(やらしい意味ではなくw
で、翌朝目覚めたら婚約者が泣いてた・・・
話を聞いてみたら革靴で歩く音がして、段々俺達が寝てる部屋に近付いて来て、
襖をノックするんだって・・・
その前に金縛りにあってたらしく、そのノックの音で婚約者は気絶しちゃったらしい。
翌朝、再びとんぼ帰りしたのは言うまでもない。

その後はその保養所に行くことも無く、親父の会社が経営悪化した関係で売ってしまった。
すぐに買い手が付いたらしいけど、その後どうなったかは知らない。
おそまつでした。スレ汚しスマソ。

前の話へ

次の話へ