友人二人と夜中ドライブ

713 :本当にあった怖い名無し:2008/06/02(月) 23:29:03 ID:zpei0jT2O
何年か前、友人二人と夜中ドライブした時の話
怖いと言うか、びっくりした

友人の一人Aはガチガチの理系で、
「物を見ると言うことはつまりそこに光を反射するなんらかの物体が存在するわけで、
人の目の構造上、特定の人にだけ見える光を反射するというものは存在しないから、
霊能力者にしか見えないなら幽霊はいない。いるとするなら万人に見えるか、万人に見えないはずだ」
という持論を持っていて、それを俺ともう一人の友人B(二人とも文系で理科には詳しくない)が感心しながら聞いてたんだ

その話のさ中、心霊スポットと言われる廃虚に通り掛かり、
「Aの理論なら目に見えない限り心霊写真なんか撮れないだろ」ということで中で写真を撮ってみることに

廃虚というのが廃業した病院らしくていかにもヤバイ空気だったんだが、
さっきの話で勇気100倍な俺たちは病室でB所有のポラロイドカメラで写真を撮ったんだ

ただ幽霊なんか撮れないと言っていても怖いものは怖い
万が一心霊写真が撮れたとき写っていたくなかった俺がカメラマンで、被写体はAとB
「これで撮れたらAの面目丸潰れだな」と笑いつつ、その後の操作がわからないからBにカメラを返したんだ
数瞬して現像が終わった写真を見て固まるB、覗きこんで怪訝な顔をするA
俺も写真を見て思わずのけぞった

二人の回りに無数のオーブと、二人の間に一組の目のような物
全体にかかる白いもや(埃は舞ってなかった)
目はよく見ると老人に見える

背筋が冷えた俺たちは一番近くの神社に駆け込んで事情を話して一晩泊めてもらった
翌日お祓いをしていただいたし、お守りも頂いた
認知症などで前後不覚になって死んだ人は自分が死んだことに気付かず、生きている人間とコミュニケーションを取りたがるらしい
目はあの病院で亡くなった老人で、打ち棄てられて久しいあの場所に俺たちが潜り込んだから現れたのだそうだ
白いもやに関しては失念してしまった
写真は丁寧に供養してくださると仰られたので、カメラごと預けて帰ってきた

その後は特に変化もなく、いわゆる霊障もない
ただ、Aの持論が「幽霊は万人に見えるか見えないかの0か100かしかない
しかし、カメラ等の機械は捉えられる光の波長の範囲が人間と違うから、
テレビのリモコンの赤外線がデジカメに映りこむように、もしかしたら人間に見えないものも写真には映りこむかもしれない」というものに変化しただけだった
今回のことで幽霊を完全に肯定するわけではないが、いるならばいつか必ず構成物質を突き止めてやると息まいている

終わり

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