誰かが入ってくるねん

692 :本当にあった怖い名無し:2008/06/02(月) 03:18:20 ID:2WFPDeRK0
3年前のお盆に、同姓している彼の実家に行った時の事。
彼の実家は大阪で(私たちは東京)、80歳になるお母さんの一人暮らし。
お母さんは60歳頃の時に耳が全く聞こえなくなり、聴覚障害者です。
FAXで連絡し合ってます。
彼は、5年前の離婚以来一度も帰ってないそうです。
着いてまず驚きました。
お昼頃に到着したのですが、2階建ての家の全ての雨戸が閉まっており、玄関には頑丈そうなシャッターが閉まってました。(決して大きな家では無く小さな家です)
周りを見てもそんな家は一軒もありません。
私にはお化け屋敷に見えました。
私は彼に「お昼頃到着するってFAX出したよねー」
彼「うん」
ベルを押すと、お母さんは物凄くでっかい声で「はーい!」と出てきました。(光る仕組みになっている)

中に入って、再び驚き。
あちこちに、張り紙が...。
読むと、゛トイレに勝手に入らないでください゛゛灯油を勝手に持っていかないでください゛゛お風呂に勝手に入らないでください゛等など。
彼が張り紙を剥がし、「これは何?」と筆談すると、お母さんは「誰かが入ってくるねん、大勢の時もある」
と言う。
彼は「ボケてきたかな~」とつぶやいた。
私はお母さんに筆談で、「お父さんにお線香を」
お母さん「2階」
上がったら、再び驚き。
全ての窓という窓に2つの補助の鍵が付いていました。
1階に下り、その事を彼に伝えると、彼は1階を見回りました。
トイレ、お風呂場の小窓(それぞれ20cm×40cm位)にいたるまで、全てに2つの補助の鍵が付いてました。
ですので、家の中は湿気がひどく、カビ臭くて、しかも真っ暗。
彼は全部の鍵を取り、全ての窓を開けて風を通しました。

時は過ぎ、夜の11時頃、床につきました。
私たちふたりは、2階の仏壇の有る部屋に布団を敷きました。(もう一つの部屋は物置状態)
彼は運転で疲れたのか布団に入ると5分で大いびき。
私は仏壇側の方なのですが、ぼんやりと仏壇の明かりを見ていました。(他の明かりは消しました)
飾ってあるお父さん(55歳で他界)の写真を見ながら、やさしそうな人だな~、合いたかったな~、等と思っていました。
すると、金縛りになり、左手がゆっくりと上がっていくんです。
私は霊感が強い方で、よく金縛りにあったりするのですが、この感じは初めてで、「んっ?!これってどうなるの?」
などと思っていると、直角近くに上がったら、金縛りが解け、腕はバタンと落ちました。
もしかして、お父さんかしら?
お父さんはお酒が大好きで、毎晩飲んでいたとの事。
私は仏壇のお父さんの写真に向かって心の中で、「今晩はご一緒に飲みましょうか?」と言いました。
1階にある冷蔵庫に、沢山買ってきたビールを取りに行く事にしました。
電気は、階段を下りて直ぐ横のお母さんが寝ている部屋の豆電球しか付いていません。
お母さんを起こしてはいけないと思い、電気を付けずに階段の手すりをつたって下りていきました。
そうすると、お母さんの部屋はガラス戸なのですが、お母さんの枕元の方で明かりが見えました。
戸は半分開いていたので覗いてみると、本を片手に持ったお母さんがこちらを見ています。
えっ?!なぜ?!
顔をガラス戸にくっ付ける位で無いと気付くはずないんですよね。
私はすかさずお母さんに筆談で、「どうして解ったのですか?」と聞いたら、
お母さんは「感じた」と答えました。
私は「眠れないので、ビールを取りにきました、おやすみなさい」と筆談しました。

私は、お母さん本当に何か見ているのかもしれないと思いました。
その後の4日間、いろいろありましたが、それはまたいずれ。

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