お供え物を流す海

578 :本当にあった怖い名無し :05/03/18 03:08:40 ID:nmL+HlzsO
うちの母親から聞いた話。全て母の体験した事。
田舎によってお盆もいろんな風習がある。母の田舎は漁師町で、果物や砂糖菓子、煮物、赤飯など墓に供えたものを海へ流すのです。(今現在もそうです)
当時小学生だった母は両親にお盆の時期は海へ入るなと言われた事を破り、海へ行き巣潜りで鮑やらウニやら採っていた。
しばらくして…やけに沖の方まで来たことに気がつき戻ろうとした。
足に何かがあたる。
こんぶか、お供えのなんかだろうと思いながら岸へ向かう。
まわりにはプカプカとスイカや色んなものが浮いている。やたらスイカが多かった。スイカの海といってもいいくらいに。
母はハッと思った。
スイカじゃない…

スイカらしきものは沈んだり浮かんだりしている。波の動きとは違う。
なんだか気持ち悪くなり母はなるべく潜りながら戻ろうとした。
潜って前をみた瞬間…
海の中は頭から下のからだがたくさんある。服をきていたり、裸だったり着物だったり…
思わず海面に顔を出すとスイカだと思っていたのは人の頭で、いっせいに母を見ていた。
悲鳴も出ないし頭(顔は見えない)はどんどん母に近づく。
母の体には何かが触れている。もうダメだと思った時に岸から父親が叫びながら船を出そうとしていた。
母はやっとそこで声をあげる事ができた。

無事父親が母のところへ来た時、母は気を失った。
目が覚めると両親や近所の父親の漁師仲間からとても叱られた。
何故ここでは海にもお供え物を流すのか…
陸まで上がれない人(水死関係)の為なんだそうです。
お供え物を頂こうとしている邪魔を母がしたんだと言われたそうです。

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