部屋の明かり

440 :本当にあった怖い名無し:2008/05/19(月) 03:31:35 ID:efeJGGs8O

約4時間前の出来事。
仕事が終わってから、スロを打ちに行ったんだ。すると途中で、一緒に住んでる彼女から
「帰り遅くなる~」
とメールが来た。
「じゃあ俺も♪」
と返して閉店まで遊び、家に向かった。
俺の家はマンションの6Fで、ある程度近くまで来れば部屋の明かりが点いてるかどうか分かるんだ。カーテンも薄っぺらいから、人が居れば影が見えたりもする。
(遅くなるって言ってたからな~)
とか思いつつも、近くまで来たので確認してみた。

すると、明かりが点いてる。
(なんだよ、帰って来てるんじゃんwww)
更に近付く。不意にカーテンが開いて、中に人の気配が。
(あははっ!何してんだアイツ。こんな時間じゃ明るい部屋の中から外なんて見えないだろうに)
(ま、ここまで来てたら歩いてるのが見えるのかもな~)

と、思い

電話をしてみた。

しかし、出ない。窓にはしっかりと人影がある。そして今度は影がキョロキョロしてる。
(馬鹿だなぁ早く電話出てくれwちょっと不審だぞ?)
とか考えてると、カーテンが閉まり人影も部屋の奥へ消えた。
(お…やっと気付いたか?)
と思って待ってたんだが、一向に繋がらない。
(もう!はよ出れやwww)
やはり繋がらない。気付けば俺は、電話を鳴らしながら駐車場まで来ていた。
(はぁ…もう着くからいいや)
と電話を切った時、急激な違和感を感じた。

駐車場に

彼女の車が無い

俺の車はあった。隣り合わせで借りてるんだが、彼女のスペースはポッカリと空いてる。もちろん、この数分で車が出入りなどしていない。ましてや、もうマンションは目と鼻の先だ。もし出掛けるなら、必ず会うだろう。
(はぁ?)
と思い、もう一度部屋を見上げる。確かに明かりは点いてる。6Fの左から2番目。間違いなく俺の部屋。
(意味わかんねぇ…)
もう一度、彼女に電話する。今度はすぐに繋がりやがった。が、同時に
「ゴメン!もうすぐ着くよん。あと5分くらいだな~」だと。
「は?お前、だって部屋に…」と言いかけたが
「ん?あ!パトカーだ。運転中だし、見つかるとヤバイから切るねぇ」と切られた。

暫く電話を持ったまま、ぼんやりと部屋を眺めていた。
(何何何!?まさか空き巣か?そうなのか!?通報するか?とりあえず、部屋を確認せねば…)
急いで部屋に向かおうとしたが、2~3歩ダッシュして踏み止まる。
(犯人と鉢合わせたらマズイよな。つうか複数だったら?刺されたりしたらマジ無理。死ぬってw)
こんな状況にありながら冗談混じりに考えてると

今度は部屋の

明かりが消えた。

(逃げられる!?)
このマンションには階段もエレベーターもある。だが、オートロックの為、必ず一度エントランスを通る。
(仮に空き巣だったとして…外に出るならココに来るだろうが…住人って事も有り得るし…まずは部屋の確認だよな)
エレベーターは他の階に止まっていたので、1Fに呼んで無人を確認。俺は階段をダッシュした!
(つか、ここで犯人と出くわしても証拠無いから何も言えんw)結局、誰とも会わずに6Fに辿り着く。そして部屋の前。鍵はちゃんと掛かっている。
(ん~、まだ中に居たらどうしようか…)
とりあえず、何か武器になりそうな物を探してみた。
各階に備え付けの消火器を発見。(殴って良しガードして良し、おまけに飛び道具付き…武器として文句なし!まるでガンランスw)と手にした。

ほぼ同時に

俺の携帯が鳴った。

彼女からだった。すぐに出る。
半ば馬鹿にした様な口調で「今、駐車場に着いたんだけどさぁ…○○(←俺の名前な)何してるの~?電気点けたり消したり、カーテンの隙間からキョロキョロ外見たりして…。酔ってるのかなぁ??」、

!?

(ななな何だって!?俺は、まだ鍵すら開けてないんだぞ?…今、何と??)

もう意味が分からない。「ちょっと、そこで待ってて!行くから!!」俺はそう言って、消火器を持ったままエレベーターに飛び乗った。
1Fに着くと彼女が居た。
「ぶw何持ってるのさwwwやっぱり飲んでたんでしょ?ほらほら、お家に帰りまちゅよ~」のんきに、こんな事を言いやがる。
「飲んでないし酔ってもいないし、俺が酒に強いの知ってるだろ?それより外に、ととにかく、ヤバイって!」ちゃんと喋れてない気もしたがそこまで一気に喋り、目を丸くしている彼女の手を掴んで強引に連れ出した。
流石の彼女も、様子がおかしいと感じたのか不安げな表情に変わる。
「駐車場から部屋を見たんだよな!?」
「そ、そだよ?」
二人で小走りに駐車場へ向かう。
部屋を見上げるが…明かりは点いておらず、人影も無い。不用意に怖がらせるのもと躊躇ったが、仕方なく状況を説明した。
「ちょっと…何それ…。どうしよう、どうしよう。」彼女は泣き出しそうだ。

意を決して

部屋へと向かう

彼女がしがみついて来る。念のため、消火器のピンを抜きいつでも噴射出来る様に構える。
(もし人が居たら、噴射→怯む→フルボッコだ!)玄関の鍵を開け、そ~っと部屋に入る。
中は…当然、真っ暗だ。彼女のしがみつきに更に力が入る。玄関を入るとすぐにトイレ。ノブに手をかけ、一気に開ける。刑事ドラマの様に。だが誰も居ない。
次は風呂場。同じ様に、一気に開けて中に消火器のホースを向ける!やはり誰も居ない。
そして、いよいよ部屋。俺は消火器を構えながらドアを蹴る!同時に彼女が電気を点ける!イイ連携だ!グッジョブ俺ら!!

部屋は

いつも通りだった

クローゼット、ベッドの下、ベランダも調べる。何も変化は無い。

2人で顔を見合わせて首を傾げる。
「アレは何だったんだ?」
「見間違い…では無いよね?」
「2人共見ちゃったからなぁ」
「トイレ行けないよぉ」
「風呂も…無理だわ」
「一緒に入ろ(ry」

そして今に至る。彼女はかなり怖がってたけど、先に寝やがった。俺は怖くて寝れやしない。書いてる途中でも思い出して怖くなり、()の中で遊んだ事や大好きなモンハンをネタにした事は許してくれorz
そして連続で書けなくなって時間が掛かった事もお詫び申し上げます。。。

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