七人ミサキ

186: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/23 06:58
漏れの小学校は海沿いの地域だったので、海のパターンで語られてました。
以下、当時の記憶を思い出して書くと、

・・・昔、地元の漁師が漁に出かけたそうだ。
手漕ぎ舟で沖へ行き、漁を終えてから岸へ向かっていると、魯が漕げなくなった。
漁師が魯を見ると、長い髪の毛が束になって絡みついていた・・・・・。
漁師が岸に着くことは無かった・・・・。

それからしばらくの間、漁師町では住民の怪死が続き、戻ってこなかった漁師の数を含めると七人に上った。
そんなある日、暗い夜道を行く男が居た。
夜は暗く、不気味であり、遠くから波の打ち寄せる音が響く・・・・

いつも通る道なのに雰囲気が違うことを察し、早足で四辻を通るその時、
男の行く手に人影が見えた。
「若い衆の夜這いか・・・」と思ったが、静かである。
精力旺盛な若い衆ならば、あんなに静かなはずが無い、とふと思った時、暗闇で見た相手の顔は、
行方不明になっていた漁師であった。

「・・・!?」男は驚いたままの表情で固まった。
気絶したわけではなく、その場で絶命した・・・・・

その時、男とは別に四辻に近づく者が居た。
いつもとは雰囲気が違うことに違和感を感じ、ふと空を見上げると、この間行方不明になっていた漁師が光りながら空へ登っていった・・・。
以降、この四辻を夜通る者は誰も居なくなったのである。

*水木しげる大先生の本では、山のパターンでは「七人ミサキ」は山伏の格好で描かれていますた。

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