梅雨時の小坪港

梅雨時の小坪港、この時期の小坪は霧が非常に出やすくこの日も霧が出ていました。
ただ、湾の外から立岩までは視界が確保できていたのと、
海上だけの霧だったのでエンジン船で走り始めました。
ところがそれまでべた凪だったのに午前9時頃からそよそよと風が吹き始めました。
それも霧を運んで来るたちの悪い海からの風・・
見る見るうちに霧が辺りを包み込み、視界が30mほどに。
やむを得ず勘を頼りにエレキで一番近いだろうと思われる岸を目指しました。
当時はGPS付きの魚探なんか持ってなくて(今もですが)船に備え付けの缶を鳴らしながら、
魚探とコンパスを確認しながら進んでいました。
しばらくすると進行方向の先でザッザッザッと音がしたのです。
だがそこは岸まではまだ50m以上あるはずだし、現に魚探も水深20mを前後を写して
いる。缶を鳴らすのを止め、エレキを止め、魚探のアラームも止めもう一度進行方向を
見ると.....

船の先2~3m辺りに見えるそれは・・・・・
足、足、足、、、、、あし!!!
ひざ下の部分しか見えないけれども、間違いなく海上を彷徨ってる無数の足・・・・・
エレキを全開にして缶を鳴らしながら岸を目指したのは言うまでもありません。
あれから7~8年経ちますが、あの光景だけは今でも強烈に目に焼きついています。

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