この本を手に取ってくれることを願っている

888 :本当にあった怖い名無し:2008/04/21(月) 19:59:57 ID:LMWWstN50
本は短編集で、4編くらい入っていたと思います。
流し読みしたんですが、どれも主人公の男が周囲の
人間に凶器や毒を使って淡々と復讐する話でした。
特に面白くもない暗い話だったので、興ざめして
「なんでこんな本が大学の図書館にあるんだろ」
と思い奥付を確認しました。
すると、直筆で作者のサインと、「○大図書館に
寄贈します」の文字がありました。

多分ここの大学の卒業生が作家になったんだ、
どんな人だろうと気になり、あとがきのページに戻って
読み始めました。細かい部分はさすがに忘れてしまいましたが、
以下はおおまかな内容です。

「僕のことを知っている人間が、この本を手に取ってくれる
ことを願っている。読めば、僕が君達のうちの誰を憎んでい
るかわかるはずだ。本は何部か作った」
「教授、友達やその他の人が僕を忘れても、僕は決して忘れない。
絶対に許さない。確実に追っていく」
他にもイニシャルで誰かを名指しで非難している部分もありました。
ドロドロの憎しみが読んでいて伝わるようで気持ち悪くなり、
棚に戻しました。(中二病じゃん、と言ってしまえばそれまでですが…)
あの本が本当に寄贈されたものだったかもよくわかりません。
現代文学の書架ではなく、古典全集ばかり並ぶ中で見つけたからです。
今でもあるのかどうかわかりませんが、ほんのり怖い思い出です。
興味があったらY大の方は確かめてみてください。では。

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