お兄ちゃんは?

672 :本当にあった怖い名無し:2008/02/22(金) 11:56:50 ID:lXhbbnW1O

友達の弟の話。
弟が小さいころは朝に弟を起こすのが友達(以下A)の役割だった。


ある日Aが朝弟を起こしに行くと弟はベッドから体を半分だけ出した状態で寝ていた。


「変な寝かただね」
Aが言うと弟は
「変な夢を見たんだ…」
と答えた。


Aは怖い夢を見た弟が母の所に行こうとして途中で寝てしまったんだろう、と思い深くは聞かなかった。

次の日、いつもの様に弟を起こしに行くと弟はベッドから落ちたのか床で寝ていた。

「また変な夢?」
「んー…」

眠い目を擦りながら弟が曖昧な返事をした。そして

「お兄ちゃんは?」

とAに聞いた。Aの家は、Aと弟、父母の4人家族のため、兄は存在しない。不思議に思いつつも、寝惚けてるんだろうと思いそのまま話を流した。

次の日、弟を起こしに行くと、今度は部屋のドアの前で寝ていた。
その次の日は部屋の外、次は階段の上、階段の真ん中、階段の下。
段々ベッドから遠ざかっていく。

流石に不安に思った家族が弟に
「どうしていつもそんな所で寝てるの?」
と聞いた。すると弟は

「お兄ちゃんが僕の足を引っ張るの」

と言った。氷つく家族を見て弟は小さいなりに何かを感じたらしく、ぽつぽつと話始める。

「夜中にお兄ちゃんが来て、僕の足を引っ張るんだ。
お兄ちゃんは僕と遊びたいのかもしれないけど、夜勝手に遊びに行くとお母さんが怒るから、僕いつもお母さんの所に行こうとするの。
始めはね、抵抗するとお兄ちゃんいなくなったけど、段々、僕を引っ張る力が強くなってきたんだよ。
でも、気付いたらいつも朝なんだけど」

霊感の全くないAとAの家族でも事の重大さに気付き、弟に「何があってもついて行かない事」を約束させた。
それでも心配だった母は仕事を休み弟に無理矢理お経を叩き込んだ。

そして次の日の朝。

眠れなかった母が4時頃、弟を起こしに行くと弟は玄関の扉に寄りかかったまま眠っていた。

弟曰く、「お兄ちゃん」がまた弟の足を引っ張ったらしい。

弟は母の言いつけを思い出して力一杯暴れた。
でも「お兄ちゃん」の力は凄く強くて、気付いたら玄関に居た。これはヤバイと思った弟は母に叩き込まれたお経を唱えたらしい。
そこから先は覚えていないらしいが弟は最後にこわばった表情で
「お兄ちゃん、怒ってた」と言った。

それ以降、Aの弟に変わった所は見られず、あれから数年の月日が流れた今ふと弟が「勘違いかもしれないけどさ、俺この間、あのお兄ちゃん見たような気がするんだよなぁ」と言った。

もしかしたら、また…。
と思うとAは不安で仕方ないと言う。

携帯からの長文スマソ(´・ω・`)

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