霊能者ごっこ

339 :本当にあった怖い名無し:2012/02/04(土) 10:52:36.26 ID:X9WNQLbY0
全然怖くないがちょっと不思議だった、俺の子供時代の経験。
小学2年生の頃。
歳がバレるが、まあ90年代。霊能者ものの漫画とか映画が流行してた。
孔雀王の映画版なんてTVでやった日には翌日の学校が九字切りしてる奴ばっかだったねw
で、俺と友人たちの間でもやっぱり霊能者ごっこが流行っていて
戦隊もののヒーローの必殺技を真似る感覚で、「オンキリキリなんたらソワカ!」「南無阿弥陀仏!」とかやってた。

ある日、友人のマンションに遊びに行った時のこと。
その日も霊能者ごっこをやる事になった。
何をするかと言うと、マンション中の適当な場所を指差して
「ここに霊気を感じる!」
「悪霊が見えるぜ!」
「除霊だ、皆お経を唱えろ!」
…と、霊と戦ってる気分になりきる…と言うものだ。
すっごく痛々しいが小学2年生だったんだ。許してください。(‘A`)
そんな遊びが小学生にとっちゃめちゃくちゃ楽しくて、段々ヒートアップ。

武器が欲しくなった俺は、メモ帳に「あくりょうたいさん」とか五芒星書いて、御札を作った。
「この御札でこのマンションの悪霊を除霊するぜ!(キリッ」
手作りの御札(メモ用紙)を掲げながら、友人と共にマンションのロビーに向かう。もう気分はかっこいい霊能者。
「ここが悪霊の巣だな!」
俺たち以外の住人は周囲に一人も見当たらない。貸し切り状態。
他人様のマンションのロビーを勝手に悪霊の巣認定して、俺らは突き進んだ。
と、その時。

突風が吹いて、俺の手から『御札』が吹っ飛ばされた。
俺ポカーン。友人もポカーン。
しかし次の瞬間

「悪霊の反撃だー(゚∀゚)!!」
「皆、負けるなー除霊だー(゚∀゚)!!」

猛烈に興奮した。
ごめんなさい馬鹿だったんです…。

すると今度は俺らを吹き飛ばしそうな突風が吹いた。
本当、立ってるのがやっと。
御札(予備)を取り出す俺。
吹っ飛ぶ御札。ますます強まる風。白熱する戦い(?)。
さらに予備を取り出す俺。
吹っ飛ぶ御札。

しかし3枚目が吹っ飛んだ直後、風が止んだ。

「勝ったー!(゚∀゚)」
「うおおー!(゚∀゚)」

満足した俺らは何の疑問も持たずに、遊んだ遊んだーと超満足しながらその日は解散した。
ちなみに吹っ飛んだ御札はゴミになるから回収しようと思ったんだが、結局どこにも見つからなかった。

今思うと、マンション構造上の問題でたまたま風が吹き込んだだけだったのかもしれないが
あれだけの風が、あのタイミングでマンションのロビーに吹き荒れてたのは不思議だ。
ちなみに天気の良い日だったよ。
遊びで除霊ごっこなんて、最近の怪談じゃ祟りフラグだけど
俺らがあんまりにも馬鹿なガキどもだったから、霊的な何かが遊んでくれたのかねえ、なんて思ってる。
近所のおっちゃんが、ごっこ遊びの悪役買って出てくれたような感じw

あの頃は何か色んな意味でおおらかな時代だった。

長文失礼しますた。

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