ボール蹴り

525 :本当にあった怖い名無し:2008/01/16(水) 15:48:55 ID:KbBEncew0
厨房だった頃の話。一応実話。
当時の俺は何故だか急にサッカーが好きになった。だけど帰宅部だったんで今更サッカー部に入部しても
ド初心者が厳しい練習に付いていけないのは目に見えてた。つーわけで家の周りでボール蹴りの毎日。
でも自宅前の道路は結構な人通りなんだ。人の目があって恥ずかしいwとキモオタの俺は萎縮。
そこで放課後の小学校へと忍び込んだ。夕方五時のグラウンドには誰も居ない。
だが職員室には明かりがあって、ビビリの俺一安心。一応先生に許可貰って(卒業生なんで直ぐおkして貰った)練習開始。

通いだして何週間か経った頃だ。「俺マジでプロになれそうw」と調子に乗って蹴り上げたボールがフェンスを越え、
プールへボチャン。冬だったんだが水が張ってあり、俺の黄色いボールはぷかぷか水面に漂ってた。
焦って中へ入ろうと試行錯誤したが駄目。
日々ボール蹴りしかやらなかった俺に体力なんて無く、自分の背丈より高いフェンスなんて上れなかった。鉄条網もあるし。
仕方なく職員室へ行く。おばちゃん先生に経緯を説明して脚立を借りようとしたんだが、「怪我があると責任がとれないから」
と取り付く島も無く断られた。そりゃそうだけど。
運動に興味持った俺に喜んで、高いボール買ってくれた親父の顔が浮かんだ。あーこりゃ締め出されるわ('A`)今更ガクブル
取れないのは分かってるが、諦めきれずプールへ引き返した。

金網越しに中を覗くと、浮かんでいる筈のボールが無い。「やべえ消えたw」と焦燥。
プールサイドに沿って一周し中を確認したがどこにもボールは無い。職員室へ立ち寄って戻るまで5分と経ってなかったのに。
ウワアもうだめぽ('A`)となりつつ元居たプール入り口へ戻ると、びちゃびちゃに濡れた俺のボールが。
辺りには誰も居ない。中に人が居るんでもなかった。
プール入り口前には薄暗いトイレがあるんで怖さ倍増。ウヒヒヒヒと引きつりながら俺は逃げ帰った。
あれは勘違いか幻覚であったと信じたい。
くだらん話で長くなってすまん。

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