アバカム

608 :本当にあった怖い名無し:2012/07/04(水) 08:20:51.99 ID:qHEIchou0
自分が小学生の時のことを最近ふと思い出したので投稿してみる
何分昔のことだからはっきりしない部分も多いがそこは見逃してくれ
自分が小学五年生のときだったと思う
自分は学校にプリントか何かを忘れて帰ってしまいそれを取りに学校に戻った
時間帯はあまり覚えていないが、まだまだ辺りは明るかった記憶があるので多分五時か六時位だろうと思う
そうして取りに戻ったのはいいんだが校舎の入り口(二箇所あった)にはもう鍵がかかってた

因みに五年生の校舎は他の学年の教室がある校舎と別となっており、特別教室と五年生の教室がその校舎にはあるだけだった
だから、五時か六時にもなったら使うことが無いから施錠されたんじゃないかと思う

それでも諦めきれず扉をガチャガチャやってたんだが当然開くはずもない
どれだけ頑張っても開かないものは開かないしもう諦めようかと思ってたんだが、その時に僅かな希望を託して何となく
「アバカム」と鍵の辺りに掌を突き出して呟いたら……開いた
扉は腰から上辺りからはガラスが張ってあって向こうが見えるから誰かが隠れてたなんてことは有りえない

とにかく自分はこれ幸いと忘れ物を回収出来たわけだが
それからしばらくは、自分は実は魔法使いなんじゃないかと思って色々とドラクエの呪文を唱えたりもしていた
結局効果を発揮したのは後にも先にもその一回きりだったけど

前の話へ

次の話へ