後の足音

14 :本当にあった怖い名無し:2012/09/06(木) 16:46:13.39 ID:NH43I2+A0
何か思い出した、中学のときの話。
近所の友達と三人で登校するのが日課だった。
横断歩道を渡って住宅街の中に入るんだけど、三人で歩いてると
後ろから足音が聞こえる。振り返ると誰もいない…
ということがしょっちゅうあった。
足音は、たまに友達のうちの片方が「聞こえた」って言ってくれるときもあったけど、
ほとんど自分にしか聞こえてなかった。
全員聞こえてることは無かった気がする。
不思議は不思議だけど横道もあるし、家に入ったのかもしれないという感じで
片付けてた。

ある朝いつもと同じように三人横並びでその道を歩いてると、足音がした。
またいないかも…とか微塵も思わなくて、よけなきゃ、と振り向いた。
黄色いパーカーを着た男の人がいた。
顔は見なかったけど多分まだ若くって、背が結構高い。
「ちょっとダサイ格好だなぁ」と思ったのを覚えている。
自分たちとの距離は1mくらい。
振り向いて一瞬見た後、一回前を向いて、もう一度振り返った。
誰もいない。
さすがにびっくりして振り向いた勢いのまま一回転してしまった。
いつもなら横道や家に入ったんだろうで済ませられたんだけど、
その時いたのが左右に10mくらい生け垣と塀が続いてる所で、どこにも逃げようが無い。
友達に「どうしたの?」って聞かれたから、見たままを正直に
答えたけど、気味悪がれるだけだったのですぐその話は止めにした。
16 :本当にあった怖い名無し:2012/09/06(木) 16:49:22.41 ID:NH43I2+A0
それから何年かたって、それぞれ違う高校に進学した年の夏休み。
久しぶりにあの時の三人で遊ぼうということになった。
遊ぶと言っても近所の公園でちょっと花火をするくらい。
しょぼいながらもそれなりに盛り上がってきた頃、後ろから足音がした。
犬の散歩だと思った。
「せっかく盛り上がってんのにわざわざこっちに来て…めんどいなぁ」
などと考えつつ振り返ったら、誰もいなかった。

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