財布を落としてしまった

64 :本当にあった怖い名無し:2007/12/25(火) 01:24:30 ID:JqJ9NiOmO
本当にほんのり(あんまり?)で長めの話を一つ


去年の夏、友人と祭に行ったんだが、その時に財布を落としてしまったんだ。
「4万入ってる財布拾って届け出る奴なんていねぇよな…」
と、半ば諦めながら落とし物センターに行ってみると、なんとも運のいいことに俺の財布が届いていた。
しかも万札の一枚も抜かれていない!
「兄ちゃんツイてんなぁ!きちんとお礼しなよ」
そう笑いながら警察のおっさんは、拾ってくれた人の住所や名前、電話番号が書かれたメモをくれた。
家に帰り、俺はその人にお礼をするために電話をかけようとメモを読んでみた。
メモによると、拾ってくれたのはともみさんという女性のようだったが、彼女の名字を見て俺は少し戸惑った。
「 猪切 」…。なんとなく字面が怖いし、何と読むかがわからない。初めて見る名字だ。
(イノキリ、か?)と俺が考えている間に電話がつながったが、あいにく留守電だった。
俺は後日お礼に伺いたいので連絡をくださいというメッセージと自分の携帯の番号を残して電話を切った。

次の日、彼女から俺の家の留守電にメッセージが入っていた。
それにはハキハキとした感じの若い女性の声で、「イギリです。お礼して頂けるなら喜んで。次の日曜のお昼以降なんてどうですか?」と笑いが混じった返事が入っていた。
俺はすぐに電話をかけたがまた留守電だったので、「それじゃあ日曜の3時くらいに伺います」とメッセージを入れた。
そして日曜日。
俺はお礼のケーキを持って、イギリさんは美人なのだろうか…とwktkしながらメモのマンションに向かった。
あまり知らない街だったので道に少し迷ったが、タクシーの力を借りてなんとか彼女のマンションに着いた。
メモを見て部屋を確かめる。忘れもしない、304号室と書いてあった。
部屋番号を目で追っていく。「301、302、303…305。あれ?」
304号室がなかった。
管理人にも聞いてみたが、304号室はないし、イギリさんなど知らないと言う。
おいおい、こんなネタみたいな話…と困り果てていると、俺の携帯が鳴った。
画面を見ると、イギリさんの電話番号が出ていた。
どういうつもりなのか問い詰めるため、電話に出ようとした時
ハッと気付いた。

「なんで俺の携帯の番号がわかるんだ?
留守電に入れたのは家の番号だ」
携帯ぶん投げて家に帰った。

66 :本当にあった怖い名無し:2007/12/25(火) 01:49:24 ID:JqJ9NiOmO
って何書いてんだ俺
>>64はもちろん携帯じゃなくて家の番号ね

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