白い服を来た人

696 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:03/02/16(日) 20:48
学生時代、合宿に行った時実際に体験した話です。
その日夕食を済ませて廊下で友人とたむろしている時ふと視線を廊下の先に向けると、
白い服を来た人が突き当たりを右に曲がり、通路の先へ入っていくのが見えました。
これと言って何でもない風景ですが僕はその時妙に気になり、今の人がどこへ
行ったのか確かめなければならない、と言う思いに駆られました。
何故そんな風に思ったかと言うと一瞬の事でしたが僕には白い服を着た人が、と言うより
『白い人が』通路を曲がっていったように見えたからです。
すぐに一緒にいた友人全員に今の人を見たかと聞いてみましたが彼らには
何が起こったか全くわかってない様子。見ていたのは僕一人だったようです。
怖かったですが僕は咄嗟にちょうど隣にいた友人の手を引っ張って廊下の奥へ
ダッシュしました。廊下の向こうには当然いくつかの部屋がありすぐに追いかけないと
今見たものがただの見間違いであると証明する機会が失われてしまう、
その事の方が怖かったからです。

突き当りを右に曲がるとさっき見た人はまだどこの部屋にも入っておらず、単に上下とも
白い服を着た人を見間違えただけ、そんな何でもない結末を期待していました。
ところが…曲がった先には部屋は一つもありませんでした。と言うより廊下自体が
存在しませんでした。そこは学校なんかには必ずある消化用品などを置いておく為の
スペースで建物の外側に一メートルほど張り出したような造りにになっている為、
遠くから見ると通路が続いているように見えただけ。当然人の隠れるスペースなど
どこにもありませんでした。

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