区営住宅

472 :本当にあった怖い名無し:2007/12/03(月) 02:55:33 ID:fh2PZvS/0
長文、及びあまり怖くなくてすいません。
m(__)m

高校時代からの友人が、私の住んでいる直ぐ近くの区営住宅にやっと当たり(3年掛かり)、すこぶる喜んだ。
彼女は母子家庭で、子供が18歳になり、児童扶養手当がおりなくなっていた。
賃貸料は2万5千円。ここらの駐車場もこの位。
友人は、「引渡しはまだなんだけど、見に行って来たの。そしたらねーあの゛仄暗い水の底から゛の映画そのまんまなのよー」笑
私「...」
鍵の引渡し当日、「早速見に行きたいんだけど、付き合って」と言うので同行した。
ちなみに私は霊感が少しあり、友人もそれを昔から知っている。
外観は、茶色のレンガで綺麗。
私「いーじゃない!」
友人「そーお?」
中に入ると、ん!?何このひんやり感!!
この日は、9月の初めで残暑厳しく凄く暑かった。
友人の部屋は6階。エレベーターに乗る。更に異様にひんやりしている。空調も無いのに。(私のマンションは空調あるのに凄く暑い)
廊下、やはりひんやり。部屋に入った。南向きで日が良く入っていて明るい。リフォームされていて綺麗。だけどひんやり。
間取りは和室が6畳2間に洋室6、台所4,5。
友人「どーお?」
私「うーん...広いね...」
友人が現在住んでいるいるマンションは、1LDKで家賃8万5千円。
友人とお風呂場と脱衣場、トイレを見た。壁は白く塗ってあるのに、なぜか床が全て灰色のコンクリート。
友人「床、業者に頼んで白く塗ってもらおう!」
私「許可もらわないといけなんじゃない?」
友人は早速携帯電話から、区の担当に電話を掛けた。
友人「出るとき元に戻せばいいって!!」
私「このままでもいいんじゃない?」
友人「やだよー!!それにまずここ出ることないし」
私「そー...」
引越しは、10日後。

区営住宅というのは、浴槽は借主が設置し、出て行く時借主が撤去するらしい。
で、ペンキ塗ってもらう時と浴槽の配置の時に、私が立ち会う事になった。
(友人は仕事、子供は学校、私は専業主婦)
ペンキ塗りの日、作業をしてもらっている時やたら喉が渇く。
私は近くのコンビニに1,5リットルのお茶を買ってきた。
15分程で飲んでしまった。再び買いに行ったが、2本買った。
それも30分程で飲んでしまった。これだけ水分を欲した事は無い。
業者が帰り、窓を閉めていたら、立ち眩みがした。
貧血等の感覚では無く、目が回る。早々に部屋を出た。
入り口で、ふと友人のポストに目がいった。
友人のポストにだけ、ガムテープが張ってあった。
投函口では無いがやたら気になり、剥がした。
もう一枚張ってあった。それを剥がした。また一枚あった。相当古いらしく、固まっていてボロボロ。「あーすんごく汚くなっちゃた!どーしよー友人に怒られそう!」そうだ!ベンジンとヘラ(もんじゃ焼き用)を持ってこよう!私の住居までは自転車で5分。
ヘラでボリボリと落とすが、思いのほか頑固。
と、住人のお婆さんが声を掛けてきた

お婆さん「そこに入られる方?」
私「いいえ、私友人なんです。友人は○○といいます。よろしくお願いします。」と、頭を下げた。
お婆さん「あーそうー...○田さん」
私「いいえ、○○です。」
お婆さん「あーそうー」と言って去った。
再び作業開始。5分位すると、再び先程とは違うお婆さんが声を掛けてきた。
お婆さん「ここに入られる方?」
私「いいえ、私友人なんです。友人は○○といいます。よろしくお願いします。」と、頭を下げた。
お婆さん「○木さん」
私「いいえ、○○です。」
お婆さん「前の人も○田さんで、○が付いていたわねー」
私「あーそうなんですか」
再び作業。通る人はお年寄りが殆ど。私はお年寄りが多いのは、区営住宅というのは入居したら越さないんだろうな~、○○もやっと当たったと言ってたものな~、などど思いながら作業。するとお爺さんが声を掛けてきた。
お爺さん「ここに越してくる方?」
私「いいえ、私友人なんです。友人は○○といいます。よろしくお願いします。」と、頭を下げた。
お爺さん「そー...ここは、出入りが激しいんだよね!」
と言って去った。
えっ!?どういう事?変じゃない?と思っていると、始めに声を掛けてきたお婆さんがやってきて、再び同じ質問。お婆さんは又「○田さん?」と言った。
丁寧に応対しました。
作業初めて30分以上掛かりようやく綺麗になってきた。手には豆。
薄くなっているマジックで書かれた苗字が出てきました。
゛○○゛。
私は背筋がぞっとした。
その事(書いてあった苗字が○○とだけ)を彼女に話したら、「へーそうなんだ~綺麗にしてくれてありがとう!!見るの楽しみ!!」と言った。
彼女は昔からとてもポジティブな性格。

浴槽の配置の時には、前もってペットボトルのお茶を2本買って行った。
やはり喉が異常に渇く。
配置は、1時間位で終わったが、その間にお茶は飲み干した。
気分が悪くなるので、殆んどベランダに居た。

その後、彼女が「なんだかわからないけど、とっても不安な気分なの!来てくれない?」などと言って、何度も電話がくる。
気の強い彼女からこんな言葉が出るなんて...。
私は自宅に食事に招く。
彼女の部屋に行こうと思うだけで気分が悪くなってしまう。
彼女には話してませんが。

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