猫の威嚇

833 :ちょっと長いかも:2007/09/16(日) 11:49:58 ID:LUBGAL23O
学生の時の話。
夏に、ボランティアで数百人単位の小学生を連れて、離島で合宿の様なものをした。
最初の夜に肝試しがあり、私は脅かす役。古い民家(空き家)の角に隠れ、
班単位でやってくる子供が角を通る際に手を掴んで脅かしていた。
オカルト好きだが実はびびりな私は、すぐそばにある古井戸が怖かった。

何組かが通りすぎた頃、1匹の野良猫が、座った私の膝の上に乗ってきた。
猫好きな私は(´∀`)な顔になって撫でさせて頂いていると、何処からともなく猫たちが集まってきて囲まれた。
ハーレム状態の私は危うく仕事を忘れそうになったが、角の方から足音がした為身構えた。
しかし、足音が何かおかしかった。
5、6人の班の筈なのに音はひとつ、それも擦るような重たい音。
もしかしたら島民の方かと思い、角を覗こうとしたらそっちに向かって猫たちがいっせいに威嚇を始めた。
これはやばいんじゃないかと思い、角から距離をとった。
怖かったのでうずくまり目をつむっていると猫の威嚇は激しくなる。
一気に寒気に教われ、震えていると生暖かい強風が過ぎていき、猫の威嚇が止んだ。
恐る恐る目を開けると、何もなかった様な顔で猫たちがたむろしているだけだった。

呆けているうちに、次の班が来た。ちょうど私達の班のグループ長も一緒で、猫に囲まれて固まる私を見るなり
「もうここはいい。子供と一緒に宿に帰りな」と言ってくれたので、素直に帰りました。
翌日その場所へ行きましたが、猫たちはやはり何もなかったように日陰でのびていました。
あの妙な足音の正体は不明でしたが、猫たちが守ってくれたのだろうと思い、島のお店で買った煮干しを猫さまに納めました。

因みに古井戸は古いだけで害はありませんでした。ごめんよ古井戸。

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